企業間競争においては、魅力的な画期的商品を開発すると同時に、企業間競争を回避するのに有効な事業への参入障壁構築をめざす知的財産戦略が議論されることが多い。しかしながら、企業にとっては、先行する立場を常に確保するのは容易なことではない。そこで、事業開発意欲があるにもかかわらず、後発の立場に置かれた際に、企業はどのような特許出願戦略を採るべきかを考えてみたい。後発は先行の築いた事業状況を前もって把握できるので、事業参入は容易なはずだが、参入障壁となる特許網の存在によって阻まれてしまう場合も多い。しかしながら、新商品のヒットや新サービスの普及は、先行にとっては事業開発の成功ではなく、企業間競争の始まりであり、特許もそれを防ぐ決め手にならないことがあるのは皆様がご存知の通りです。
このような現実を踏まえ、本セミナーでは、企業にとっての知財戦略を俯瞰したのち、
- 先ず、先行企業が取り組むと推察される特許出願戦略を具体的に紹介する
- 次に、後発企業が対抗策として採るべき特許出願戦略について具体的に述べる
これら相反する二つの立場から議論を進めた特許出願戦略こそが、自社の置かれた立場に適した特許出願戦略を熟慮する際に、最も役立つものと考えています。先行あるいは後発のいずれの立場にあろうとも、本セミナーの内容をご理解いただき、自社の事業開発推進に役立つ、知的財産戦略の立案と具体的な取り組みを実現していただければ幸いです。
- はじめに
- 企業活動における知的財産
- 企業における特許の役割
- 先行企業はどう取り組んでいるか?
- 技術だけでは、企業間競争に勝てない!
- 特許の価値と強みを維持する工夫
- 事業を支えるのは「改良発明」
- 「特許を意識した研究開発」の在り方
- 「特許先行出願型設計/開発」とは?
- 特許で自社技術を守る仕組み
- 特許出願戦略:攻守それぞれの立場から
- 「企業が保有すべき特許件数」の目安
- 「知財権ミックス戦略」の活用
- 後発には事業参入機会がないのか?
- この章では、「ご参加の皆様の業界」と「ご要望のある業界」を俯瞰してみたいと思っています。 (ご要望は事前リクエストから承ります。)
- 先行企業:弱みはどこに潜むか?
- 後発にも勝機あり!
- ICT業界流に学ぶ:その後に独自性をめざせ!
- 異業種は異なる発想で事業参入:既存企業の対抗特許出願戦略は?
- 「特許権の価値」が希釈化:さらなる藪状態化も!
- ビジネス価値の創出をめざすには?
- ビジネスプラン v. 特許力の優位性確保
- 「中国流知的財産戦略」の凄み
- 参考) 中国:特許・実用新案のリスク
- 参考) 中国:特許・実用新案の件数リスク
- 参考) 北京知識産権法院判決の動向:2016年
- 欧米に学ぶ:中国流への対抗策
- 中国流知的財産戦略:やはり量から質への転換をめざす
- 特許情報を活用したビジネスモデルデザイン
- ビジネスモデルデザイン:特許情報を活用
- 特許情報:「ビジネス情報源」にする読み方
- 特許情報分析:「3×3シート」の活用
- 「3×3シート」:競合との競争力を比較
- 特許明細書:効率的な読み解き方
- 「ビジネスモデルキャンバス」を活用
- ビジネスモデルデザイン v. 特許情報
- 「求められているもの」を「形にする」
- 後発でも勝つ:特許情報ベースの戦略的発想
- 発明視点からみた、特許明細書の4要素
- 発明創出法:特許明細書から学ぶ
- 課題解決手段:新たな技術課題を内在
- 新たな技術課題に相当するか否か?:判定法
- 新規性と進歩性:主張方法は?
- 進歩性の主張方法:従来技術との距離
- 特許情報の更なる有効活用
- 後発でも勝つ:既存製品ベースの戦略的発想
- 既存製品の特許情報:再発明に活用
- 発明の多くは「再発明」
- 再発明で、時代への適合をめざす
- 「素材企業」のもつべき知的財産戦略
- 参考) システム企業の嫌がる材料特許
- 参考) 「ビジネス発想」の特許で,事業を守る
- 「部品企業」のもつべき知的財産戦略
- 「システム企業」のもつべき知的財産戦略
- 後発でも勝てる特許出願戦略
- 後発でも勝てる特許出願戦略とは?
- 先行特許:戦略的対抗策
- 「先行特許網の傘下」に食い込め!
- 参考) 後発でも,特許査定:残るは訴訟リスクのみ!
- 数値限定特許の活用:リスクも伴う!
- 数値限定特許の要諦
- 「先行企業とは無縁の代替技術」を手にする!
- 「先行特許網傘下の特許」を多数出願!
- 後発で勝つための特許情報を活用した発明創出法
- 「後発企業の強み」は何か?
- 「後発企業の強み」を活かす
- 発明創出法:特許情報を活用
- 「発明の種」は特許情報にある!
- 特許出願の要諦
- まとめ