木質バイオマスの活用技術を学ぶ2日セミナー

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2017年5月30日「セルロースナノファイバーの複合化技術、および用途展開」:/node/23944

第1部 セルロースナノファイバーの調製・複合化の基礎と研究動向

(2017年5月30日 10:00〜11:10)

 セルロースナノファイバーの様々な調製技術について、基礎と実用化に向けての動向を紹介する。  また、ファイバーをフィラーとする複合材料やナノコンポジットの基礎を学ぶことにより、セルロースナノファイバーを用いる複合材料への理解を深める。加えて、セルロースナノファイバー含有高分子複合材料の代表的な調製方法を紹介し、実用性の高い技術を中心に最近のトピックスを講演者の研究成果を交えて示す。

  1. セルロースの基礎
    1. バイオマス原料としてのセルロース
    2. セルロースの構造・性質
    3. セルロースの化学修飾と産業利用
  2. セルロースナノファイバーの作製技術
    1. 機械的粉砕法
    2. バクテリアセルロース
    3. 再生セルロース繊維利用法
    4. 化学修飾
    5. セルロースナノクリスタル
  3. 繊維と樹脂の複合化技術 (基礎)
    1. 繊維強化プラスチック
    2. ナノコンポジット化技術
  4. セルロース系高分子複合材料
    1. セルロースナノファイバーの利用
    2. 修飾セルロースナノファイバーの利用
    3. セルロース系高分子複合材料の特性
第2部 セルロースナノファイバー強化樹脂複合材料の高効率製造と特性、用途開発

(2017年5月30日 11:15〜12:25)

 セルロースナノファイバーは、優れた力学的特性、耐熱性、低線熱膨張性を有し、且つ軽量であることからプラスチック補強繊維としての用途も注目されている。京都ではセルロースナノファイバーのプラスチック構造部材の研究開発を10年以上にわたって行ない、2016年3月にはその一貫製造システムである京都プロセスプラントが完成し、現在各方面への材料供給を開始している。  本発表では、京都プロセス材料のポテンシャル、特性、今後の展開について紹介する。また国内外の動向についても幾つかを紹介する。

  1. はじめに
    1. 研究開発のバックグラウンド
      • セルロースナノファイバーとプラスチックの出会い
  2. セルロースナノファイバーの基礎、動向について
    1. セルロースナノファイバーの基本性能
      • 高強度、軽量、持続的再生可能、化学処理容易
    2. 樹脂複合材料による構造部材開発の変遷
      • 京都における研究開発
    3. 国内外の動向
      • 様々な分野への適用
  3. セルロースナノファイバー/樹脂複合材料の特性
    1. 京都プロセスについて
      • 一貫製造プロセスの概要、特徴など
    2. セルロースの化学変性について
      • これまで取り組んだ変性の概要
    3. 低コスト且つ容易なプラスチック混練プロセス
      • 同時複合解繊混練押出
    4. 樹脂複合材料の特性 – 力学的特性、耐熱性、摺動性など
    5. 最近の複合材料の特性
    6. 用途開発へ
  4. まとめ
    1. 今後の検討の方向
第3部 疎水性高分子とセルロースナノファイバーの均一複合技術

(2017年5月30日 13:15〜14:25)

 セルロースナノファイバーは、木材などの植物が作り出す天然の高結晶性ナノファイバーであり、高強度・高弾性率・低熱膨張率などの優れた物性を有するため、高分子材料の補強材料としての利用が期待されている。しかし、親水性のセルロースと疎水性の高分子を複合化することが難しいという課題を有している。  本講演では、TEMPO酸化という手法を用いて、セルロースナノファイバーを疎水性高分子とナノレベルで均一複合化する手法と、得られる複合材料の力学/熱機械物性について発表する。

  1. 緒言
    1. 天然セルロース
    2. セルロースナノファイバー (CNF) の物性
    3. CNF /高分子複合材料
    4. CNFの調製方法
    5. TEMPO触媒酸化
    6. TEMPO酸化CNF
    7. TEMPO酸化CNFを用いた材料開発検討
  2. TEMPO酸化CNF/高分子複合材料
    1. 光学的性質
    2. 力学的性質
    3. 熱機械的性質
  3. 表面修飾CNF/高分子複合材料
    1. 光学的性質
    2. 力学的性質
    3. 熱物性およびCNFの結晶核剤効果
  4. まとめ
第4部 粉体化による疎水性セルロースナノファイバーの開発

~粉体CNFの特性、プラスチック・ゴム・塗料への分散、消臭剤への活用~

(2017年5月30日 14:30〜15:40)

 日本が保有する森林資源をナノファイバー化し有効利用するためには、効率良い製造方法とその用途開発が必要である。用途開発については工業利用を中心に紹介していく。

  1. セルロースナノファイバー開発の経緯
  2. セルロースナノファイバー
    1. 装置の開発
    2. 製造したセルロースナノファイバーの特性
  3. 用途開発
    1. プラスチックへの分散
    2. ゴムへの分散
    3. 塗料への分散
    4. 消臭セルロースナノファイバー
第5部 セルロースナノファイバーとセラミックスの複合材料の開発

(2017年5月30日 15:50〜17:00)

 セラミックス製品は最後に高温で焼成するため、耐熱温度の低いセルロースナノファイバーは混ぜられないという先入観を持ってしまいがちであるが、焼成を必要としないセラミックスもある。  本講演では、セルロースナノファイバーとバイオセラミックスの複合化方法や物性について解説し、用途展開について紹介する。

  1. はじめに
    1. バイオセラミックスの基礎 (種類、特徴、加工法など)
    2. バイオセラミックスとセルロースナノファイバーの関係
  2. バイオセラミックスとセルロースナノファイバーの複合化技術
    1. 原料スラリーの調整方法
    2. スラリーの粉体化と加圧成形
    3. 鋳込み成形
    4. 加圧鋳込み成形
  3. 多孔体構造作製技術
    1. 真空乾燥
    2. CNFの種類による構造変化
  4. その他のセラミックスとセルロースナノファイバーの複合化の可能性
第1部 リグニンの特性とその新しい応用展開

~環境規格から工業規格への構造標準化~

(2017年6月20日 11:00〜12:30)

 植物はその生育環境に最適化されており、その形状、内部構造、分子組成は全て異なっている。中でもリグニンは、その基本構造が環境平衡の下で形成されるため構造と反応性が極めて多様であり、現在なお機能的な応用には至っていない。  多様性とその平衡から成り立つ生態系を、構造的振れを極度に排除した工業製品の原料として位置付けるためには、生物素材の段階的構造収束と特徴付け (機能開発) が必須となる。  本講義では、樹木細胞壁成分利用のキーとなるリグニンについて、その構造特性、反応性、工業的利用の現状と課題を総括すると共に、リグニンを分子セグメント複合体という新たな切り口で捉え、分子構造的規格化を行いながらそれを逐次解きほぐしユニバーサルな工業原料へと転換する新たなシステム技術について紹介する。

  1. 生態系における炭素の濃縮と解放
  2. 植物に包含された環境因子
  3. 樹木の代謝
  4. 細胞壁の微細構造
  5. 細胞壁構成素材の構造と分布
  6. 樹木を機能性分子工業原料へ
    1. バイオ規格と工業規格
    2. セルロースの分子規格とその標準化
    3. リグニンの分子規格とその標準化
  7. リグニンの工業的分離プロセスの特徴と課題
  8. リグニン利用の現状と課題
  9. 新しいリグニンの構造制御技術 ネットワークから高機能リニア型高分子への転換
    1. リグニンの構造標準化設計
    2. セルロースとリグニンの新しい関係をつくる ~新しい選択的同時構造制御システム~
    3. 工業規格化された新しいリグノセルロースの創製
    4. 樹木成分と石油系樹脂の新しい関係
    5. リグニンの機能的応用展開
  10. 森林からはじまる新しい持続的工業システム
第2部 リグニンの単離・改質とリグニンを活用した機能性材料の開発

(2017年6月20日 13:20〜14:50)

 木材などの木質バイオマスからリグニンを取り出し、得られたリグニンが現在どのように利用されれているか、さらに、今後どのように利用しようしているかの動向を講義する。

  1. リグニンとは
    1. リグニンの生合成
    2. リグニンの基本的化学構造
  2. リグニンの単離法
    1. 既存の化学パルプ化
    2. オルガノソルブパルプ化
  3. 単離リグニンの物性と熱成形
    1. リグニンのガラス転移と熱流動
    2. リグニンの溶融紡糸と、炭素繊維および活性炭素繊維への変換
    3. 電子デバイス材料としてのリグニン系活性炭素繊維
  4. 両親媒性リグニン誘導体の開発
    1. リグニンの両親媒性材料への変換
    2. セメント分散剤としての機能
    3. 酵素安定化剤としての機能
第3部 リグニンを利用したエポキシ樹脂の開発とその特性、応用展開

(2017年6月20日 15:00〜16:30)

 木質バイオマスの20~30%を占めるリグニンをエポキシ樹脂に応用し、熱硬化性樹脂としての可能性を調べた。ポリフェノール構造であるリグニンおよびフェノール化されたリグノフェノールでエポキシ樹脂を硬化させた。その結果、フェノール硬化エポキシ樹脂と遜色ない硬化性を示し、耐熱性の目安であるガラス転移温度は190℃を超える高い値を示した。さらに、フェノール樹脂と同様にエピクロルヒドリンによるエポキシ化も可能であることが確認されている。エポキシ化リグニンの硬化反応、硬化物物性についても述べる。

  1. 杉由来リグニンを用いたバイオマスベースエポキシ樹脂
    1. リグニンのエポキシ樹脂への応用と課題
    2. 杉由来爆砕リグニンのエポキシ樹脂硬化剤としての応用
    3. リグニン硬化エポキシ樹脂の硬化促進剤の検討と最適硬化条件の選定
    4. リグニン硬化エポキシ樹脂の特性
    5. 杉由来爆砕リグニンのエポキシ化の検討
    6. エポキシ化リグニンの硬化物の特性
    7. プリント基板用材料への応用と特性
  2. 麦わらリグニン由来エポキシ樹脂の開発
    1. 高純度化とエポキシ樹脂硬化剤としての検討と応用
    2. エピクロルヒドリンとの反応によるエポキシ化の検討
    3. モデルによるリグニンとエポキシ化リグニンの反応確認
    4. エポキシ化用相間移動触媒の検討
    5. 硬化促進剤の検討と最適硬化条件の選定
    6. フェノール硬化麦わらリグニンエポキシ樹脂の特性
  3. フェノリックリグニンとエポキシ化フェノリックリグニンの研究
    1. フェノリックリグニンの合成とモデル反応による確認
    2. フェノリックリグニン硬化エポキシ樹脂の研究
    3. エポキシ化フェノリックリグニンの合成と硬化物物性

2017年6月20日「リグニンの産業応用 最新技術動向」:/node/23954

第1部 リグニンの特性とその新しい応用展開

~環境規格から工業規格への構造標準化~

(2017年6月20日 11:00〜12:30)

 植物はその生育環境に最適化されており、その形状、内部構造、分子組成は全て異なっている。中でもリグニンは、その基本構造が環境平衡の下で形成されるため構造と反応性が極めて多様であり、現在なお機能的な応用には至っていない。  多様性とその平衡から成り立つ生態系を、構造的振れを極度に排除した工業製品の原料として位置付けるためには、生物素材の段階的構造収束と特徴付け (機能開発) が必須となる。  本講義では、樹木細胞壁成分利用のキーとなるリグニンについて、その構造特性、反応性、工業的利用の現状と課題を総括すると共に、リグニンを分子セグメント複合体という新たな切り口で捉え、分子構造的規格化を行いながらそれを逐次解きほぐしユニバーサルな工業原料へと転換する新たなシステム技術について紹介する。

  1. 生態系における炭素の濃縮と解放
  2. 植物に包含された環境因子
  3. 樹木の代謝
  4. 細胞壁の微細構造
  5. 細胞壁構成素材の構造と分布
  6. 樹木を機能性分子工業原料へ
    1. バイオ規格と工業規格
    2. セルロースの分子規格とその標準化
    3. リグニンの分子規格とその標準化
  7. リグニンの工業的分離プロセスの特徴と課題
  8. リグニン利用の現状と課題
  9. 新しいリグニンの構造制御技術 ネットワークから高機能リニア型高分子への転換
    1. リグニンの構造標準化設計
    2. セルロースとリグニンの新しい関係をつくる ~新しい選択的同時構造制御システム~
    3. 工業規格化された新しいリグノセルロースの創製
    4. 樹木成分と石油系樹脂の新しい関係
    5. リグニンの機能的応用展開
  10. 森林からはじまる新しい持続的工業システム
第2部 リグニンの単離・改質とリグニンを活用した機能性材料の開発

(2017年6月20日 13:20〜14:50)

 木材などの木質バイオマスからリグニンを取り出し、得られたリグニンが現在どのように利用されれているか、さらに、今後どのように利用しようしているかの動向を講義する。

  1. リグニンとは
    1. リグニンの生合成
    2. リグニンの基本的化学構造
  2. リグニンの単離法
    1. 既存の化学パルプ化
    2. オルガノソルブパルプ化
  3. 単離リグニンの物性と熱成形
    1. リグニンのガラス転移と熱流動
    2. リグニンの溶融紡糸と、炭素繊維および活性炭素繊維への変換
    3. 電子デバイス材料としてのリグニン系活性炭素繊維
  4. 両親媒性リグニン誘導体の開発
    1. リグニンの両親媒性材料への変換
    2. セメント分散剤としての機能
    3. 酵素安定化剤としての機能
第3部 リグニンを利用したエポキシ樹脂の開発とその特性、応用展開

(2017年6月20日 15:00〜16:30)

 木質バイオマスの20~30%を占めるリグニンをエポキシ樹脂に応用し、熱硬化性樹脂としての可能性を調べた。ポリフェノール構造であるリグニンおよびフェノール化されたリグノフェノールでエポキシ樹脂を硬化させた。その結果、フェノール硬化エポキシ樹脂と遜色ない硬化性を示し、耐熱性の目安であるガラス転移温度は190℃を超える高い値を示した。さらに、フェノール樹脂と同様にエピクロルヒドリンによるエポキシ化も可能であることが確認されている。エポキシ化リグニンの硬化反応、硬化物物性についても述べる。

  1. 杉由来リグニンを用いたバイオマスベースエポキシ樹脂
    1. リグニンのエポキシ樹脂への応用と課題
    2. 杉由来爆砕リグニンのエポキシ樹脂硬化剤としての応用
    3. リグニン硬化エポキシ樹脂の硬化促進剤の検討と最適硬化条件の選定
    4. リグニン硬化エポキシ樹脂の特性
    5. 杉由来爆砕リグニンのエポキシ化の検討
    6. エポキシ化リグニンの硬化物の特性
    7. プリント基板用材料への応用と特性
  2. 麦わらリグニン由来エポキシ樹脂の開発
    1. 高純度化とエポキシ樹脂硬化剤としての検討と応用
    2. エピクロルヒドリンとの反応によるエポキシ化の検討
    3. モデルによるリグニンとエポキシ化リグニンの反応確認
    4. エポキシ化用相間移動触媒の検討
    5. 硬化促進剤の検討と最適硬化条件の選定
    6. フェノール硬化麦わらリグニンエポキシ樹脂の特性
  3. フェノリックリグニンとエポキシ化フェノリックリグニンの研究
    1. フェノリックリグニンの合成とモデル反応による確認
    2. フェノリックリグニン硬化エポキシ樹脂の研究
    3. エポキシ化フェノリックリグニンの合成と硬化物物性

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