省令GCPに治験依頼者の補償責任が明記されて20年が経過しました。当時何もないところから苦労して自社の補償制度や手順書を作り上げ、さらに医療機関や被験者の対応を担ってきた各社補償担当者は熟練を重ねるもそろそろリタイアする時期にあり、新たに補償担当者に抜擢される (た) 新任者の方も多いと示唆されます。
この講座では、日本の治験補償の特徴と諸外国の制度との違いや新補償ガイドラインの改定のポイント等を体系的に学ぶことができますので、熟練者にはもちろん、新任者にも有意義な一日となると考えます。
- 2013年ヘルシンキ宣言に研究主導者の補償責任が明記された背景と米国でスポンサーの補償責任が求められない歴史的な理由について
- 宣言の採択又は改定の契機となった事件
- 現代のレギュラトリーサイエンスの基礎を築いた米国のキーフォーバー・ハリスFDCアクト修正法
- 米国でプラセボ対照の二重盲検比較試験が求められるようになった背景
- 米国タスキギー事件後に設立された国家委員会と大統領委員会の役割
- ベルモントレポート
- コモンルール
- 米国における無過失補償責任を研究者側に無過失補償責任を負わせるシステム試行の提言
- 無過失責任とは
- 米国が訴訟大国となった背景と製造物責任の無過失責任化
- 英国での無過失責任補償
- ICH – GCPにおける補償条項と米国の規制要件
- インフォームド・コンセントの概念のルーツと初めて使われた裁判
- 宣言採択を巡る米欧間の主導権争いと対立した二つの問題
- ヘルシンキ宣言が一躍有名になった意外な理由
- プラセボ使用をめぐっての米欧間の論争 – 非難されたHIV母子感染予防臨床試験と米国コモンルールの記載の見直し
- 研究終了後のアクセスを巡っての南北間の論争 – 大荒れに荒れた2000年エディンバラ総会
- 新たに提起された健康被害に対する補償の問題とフォレタレザ改定
- ヘルシンキ宣言でいう適切な補償とは?
- 補償問題への取組強化に関する米国側の反応
- 医療倫理と法的責任の関係
- 日本の補償制度の特徴と諸外国との違い
- ピラミッド構造の日本の治験補償のシステム
- 日本の治験補償のもう一つの特徴
- 日本の補償制度と対照的な英国の補償制度
- 医薬品の副作用被害を補償するシステムを持つ欧・豪州の補償制度
- 医薬品の副作用被害を補償するシステムを持つ東アジアの補償制度
- 改定された新ガイドラインに対応するために補償担当者に求められる知識
- 医薬品副作用被害救済制度及び国民年金・厚生年金保険制度における障害認定基準
- 労災保険制度及び同制度の障害認定基準
- 健康保険使用の問題
- 高額療養費制度
- 保険外併用療養費制度
- 高齢者医療保険制度
- 公費負担医療制度
- 平均余命年数とライプニッツ係数
- 医療費の一括払いが現時点で可能と思われる事例
- 障害補償金支払予定者が突然死亡した場合の取扱いについて
- 医療費の支払期間は1年6ヵ月?という誤解
- 補償担当者のスキルとして求められる言語的コミュニケーション能力と非言語的コミュニケーション能力