FPCは、いわゆる“柔軟な配線板”の総称である。日本では、1969年に日本メクトロン 株式会社 が、米国FPCメーカーの基本技術供与よりFPC専業メーカーとして開発・製造を開始したのが最初である。その後FPCは、1970年代より、日本で本格的に小型民生電子機器用途に適用され、その市場はアナログからデジタルの変化期に急成長を遂げた。現在に至るまでFPCは、あらゆる小型電子機器に応用されてきており、更にその技術進化を続けている。これらのFPCの継続的ニーズの源は、FPCが柔軟なプラスティックフィルムと金属箔 (銅箔が多い) で構成されているために「静的曲げ (折り紙機能) 」と「動的曲げ (摺動機能) 」の2つの基本機能を併せ持つためにある。また、小型電子機器の「軽薄短小化」要求にマッチングしてきたためでもある。しかしながら、最近のスマートフォンなどの凄まじい進化 (種々の小型電子機器を取り込むデバイスへの変化) により、FPCには「高速化」、「薄型化」、「高精細化」などの新しいニーズに対応する新材料・新プロセスの開発が重要になってきている。同様に、車載用途では「コネクト化」、「インフォテイメント対応」、「ADAS対応」などの電子化へのFPC応用開発が進んでいる。更に、ウェアラブルやヘルスケアなどの新市場の開発・拡大により、FPCは、単なる“曲げや柔軟性”機能を持つ配線板としてのみでなく、“伸縮モード”を発現できる必要がでてきている。所謂「ストレッチャブルFPC」の開発である。IoT/M2M関連では、内蔵FPCセンサ開発も必要になってきた。 本セミナーでは、これらのFPC応用市場における最新FPC技術動向を紹介する。