スクリーン印刷は量産に入るとトラブルが発生する。印刷条件が、部材特性、人、気候などによって変動するためである。トラブル発生メカニズムを把握し条件変動を管理しておく必要がある。スクリーン印刷の不良は、大きく、にじみとかすれに分けることができる。スクリーン印刷は、スクリーンと基板間のペーストの引っ張り合いで行われ、この接着力バランスの変動により、”にじみまたはかすれ”となって不良が発生する。スクリーン、ペースト、基板、スキージそれぞれの特性、性能ばらつきを抑えることが重要である。特に、スクリーンとペーストは、特性、性能ばらつきが大きい。
本セミナーでは、トラブル発生メカニズムを解明し、スクリーン、ペースト、基板、スキージそれぞれの特性と印刷トラブルとの関係を解説する。
- セミナーあらすじ
- にじみとかすれの種類と原因
- にじみとかすれには規則性があるが、複数の要因がある
- ペースト設計不良によるにじみ、かすれの例
- スクリーン設計不良によるにじみ、かすれの例
- スクリーン、基板の表面状態とにじみ、かすれ
- スクリーン印刷の充填版離れは接着力バランスが基本
- なぜどこにどのようにどのようなメカニズムで接着力が働くのか
- 充填は機械力、版離れは化学力、印刷メカニズムが全く異なる
- ペーストとスクリーンは、製造ばらつき、経時変化が大きい
- ペーストの設計法
- 低粘度ペーストは充填しやすいがだれやすく、にじむ
- ペーストは粘度測定だけでは良い印刷はできない
- ペーストの内部特性、表面特性が印刷に影響を与える
- スクリーンの設計法
- 小孔径での版離れの難しさ;壁面構造
- スクリーン孔へのペーストの残留、裏回りとにじみ、かすれ
- スクリーン反力/印圧ばらつきとにじみ、かすれ
- スキージの設計法
- 小孔径での充填の難しさ;スキージ硬度、形状と印刷性
- 印圧設定の重要性;スクリーンとスキージの関係
- 印刷メカニズムと印刷不良発生メカニズム
- 充填編;充填メカニズム、問題点、充填向上法
- にじみ、かすれはなぜ発生する?粘度?たれ?降伏値?接着力?
- 連続写真による充填メカニズムの分析
- 充填メカニズム;ローリングだけではない
- 短パターン問題;100μ以下で、膜厚不足、かすれ
- 充填力向上スキージ・新規充填法
- スキージ印刷の限界;充填向上法各社の対策/圧力充填等
- 印圧メカニズム詳細、問題点、印圧均一化法
- 印圧機構と印圧;ダウンストップとフローティングの違い
- 印圧不良=基板との密着不良;スキージとスクリーンの変形対策
- べたパターンでは印圧が特に重要;膜厚均一印刷法、印圧不良防止
- 版離れ編;メカニズム、問題点、版離れ向上法
- 30μ線幅印刷での版離れ不良の原因
- 版離れメカニズムの詳細;充填と版離れとペーストの関係
- 版離れしやすいペーストとは?粘度?たれ?降伏値?接着力?
- 版離れ性を直接評価する方法・装置
- 版離れ不良対策;スクリーン仕様/コンビスクリーン課題と解決法
- 版離れ向上法;各社の対策法/加圧版離れ法の種類
- ペースト編
- ペーストの基本構成とペースト設計の基本
- ペーストの内部/表面特性と充填版離れ性の関係
- にじみ難くかすれ難いペースト設計;流動、非接着、降伏値
- 固形粒子量が多いペースト;凝集コントロールの重要性
- ペースト製造法;構成材料/形状、量、混練方法と粘度、チキソ性
- 量産・製造・ペースト評価編
- 印刷品質向上のためのペースト評価方法
- 充填性、版離れ性に優れたペーストを直接、評価する方法
- ペーストの内部特性と表面特性評価方法
- 粘度計の種類と原理;回転粘度計/だれ測定/振動・音波粘度計
- 粘弾性とは?粘弾性と印刷性の関係
- 乾燥・焼成工程概要
- 乾燥焼成の基本原理;溶剤、バインダ、分散剤、チキソ剤を分解
- 基板耐熱温度と乾燥焼成方法;熱風/赤外/マイクロ波/電子線
- 乾燥機、焼成炉の構造;溶融/硬化/焼結
- 量産方法概要
- 量産工程の設計概要;スクリーン洗浄・ペースト脱泡・ゴミ濾過等
- スクリーン設計上の注意点;メッシュ、反力、変形、撥水・撥油性
- 位置決め方法の種類/画像処理法の種類
- (参考資料)
- 印刷か真空成膜か? 印刷かコーターか?
- その他の印刷方式;ロータリースクリーン/ロールツーロール
- 印圧メカ/ペースト設計例/分散剤と粒子吸着