(2017年6月20日 10:00~11:30)
地球環境保護のため自動車の排出CO2量はさらなる低減が求められている。このため車両駆動源が大きく変化しつつある。駆動源変化は、車室内の熱マネジメントや快適性へ大きく影響する。さらに自動運転化という波が押し寄せており、ますます乗員快適性は厳しい状況にある。このため車両の快適性を維持しつつ、駆動源変化に対応する技術が求められている。 本セミナーでは、駆動源変遷や車両の熱マネジメントを概括し、エアコンの改善技術やそのための材料について説明する。 自動車や空調技術についての専門知識がない方でもわかるように平易な説明を心がけており、異分野の聴講者を歓迎する。
(2017年6月20日 11:40〜13:10)
一般的に、窓ガラスと空調負荷の関係については、いろいろと誤解されている点があると思われます。例えば、基本的な窓ガラスの省エネルギー性能は断熱性と遮熱性で決まりますが、この断熱と遮熱という概念が混同して使われていたり、間違って受け取られていることがよくあります。 本講座では、自動車用の窓ガラスと空調負荷の関係について、実際には、これが何によって決まるかを詳しく説明すると共に、空調負荷を下げるためには、窓にどのような性能が要求されるか、また、現状でどのような技術があるかについて解説します。また、燃費及び快適性向上に大きな効果が期待される新しい調光材料として「調光ミラーシート」を詳しく紹介します。
(2017年6月20日 13:50〜15:20)
自動車分野におけるポリウレタン樹脂の使用例、自動車における断熱の可能性および熱マネージメントの考察について説明する。 ポリウレタンは自動車部品用材料として長い歴史を持つ。たとえば柔らかさを活かしたクッション性、発泡による低密度化を活かした軽量性、セル構造を活かした吸音性、およびエネルギー吸収性を活かした安全性などが長く好まれてきた理由として挙げられる。 本講座では上記に加えてポリウレタンの最大の特徴の1つである断熱性を軸に、自動車部品への「熱マネジメント」という視点での可能性について説明する。
(2017年6月20日 15:30〜17:00)
本講座では、主として人体の生理反応を考慮して温熱快適性を予測する人体熱平衡モデルの基礎理論を概説する。最後に、人体の温熱生理予測結果を基に温熱快適指標を求め、空調システムの開発に役立てる方法にも触れる。 人体熱平衡モデルは、「空調装置」という『機械』と、「温熱生理」という『人体』とのインターフェースを、伝熱工学と温熱生理学を用いて数理モデル化する技術である。前者は、温度や熱量といった『物理量』で評価することができるが、後者は温冷感や快適性といった『感性』に依存するため、定量的評価が難しい。然も、人体の特性は個人差が大きく評価者によって結果が大きく異なってくる。 本講座は、そうした相反する要素を繋ぎ合わせて最適設計するための一つの手段を紹介するものである。