第1部 乳化の基礎とHLB方式による 乳化剤の最適選定
(2017年6月6日 9:40〜12:40)
多成分からなる安定な乳化製剤を製造するためには、多成分間の物質/物質間の相溶性を理解することは製剤科学上、極めて重要である。
本講義ではその指標値として、HLB方式、有機概念図法および溶解度パラメーターの基礎とその応用を乳化要素技術展開の中で、練習問題を解きながら、詳細に解説し、研究並びに生産現場で活用できる事を目的とする。
- エマルションの形態とその特徴
- 自然界の自己乳化形態と乳化製剤に比較
- 粘土物質を乳化剤とした乳化形態
- 微粒子を用いた乳化形態 – Picker Emulsion
- 乳化技術開発の推移
- エマルションの製造および製品に関する留意事項
- 乳化剤 (界面活性剤) 水溶液の物理化学的性質
- 物質/物質間の相溶性の指標値
- 乳化剤の選択
- HLB方式による乳化剤の選択法
- 混合油性基材の所要HLB値の算定法
- 混合乳化剤のHLB値の計算法
- Davies式による乳化剤のHLB値の算出法
- 有機概念図法の基礎と乳化剤のHLB値の算出法
- 乳化技術
- 物理的 (機械的) 乳化方式
- 乳化のスケールアップの留意事項
- 物理化学的乳化方式
- 油相配合時の指針 – 溶解度パラメーターの活用
- 乳化剤の添加方法
- 転相乳化法
- 転相温度乳化法
- D相乳化法
- ゲル乳化法
- 低エネルギー乳化法
- エマルションの安定性評価法
- 安定なエマルションを処方設計するたには
- エマルションの安定性に関する要因
- エマルション製剤の安定性評価の加速試験法
- 保存温度とエマルション粒子の溶存状態 (相状態)
- エマルションの物性評価技術
- エマルションの「型」の判定法
- エマルションの粒子径観察
- 凍結割断法電子顕微鏡法
- エマルション粒子の合一速度
- ESRスピンプローブ法による乳化膜の配向状態
- エマルションの相状態
- エマルション中の水の様態
- エマルションのレオロジー特性
第2部 (乳化手法最適化のための) エマルション評価法
(2017年6月6日 13:20〜14:50)
エマルションの評価は、乳化剤の選定や乳化手法の最適化の手段となるとともに、安定性評価・予測に必須な技法である。身近にある汎用の解析手法を用いた、実践ですぐに役立つ測定法を目的別に紹介する。
- エマルションの基本物性評価
- 外観評価
- 直接観察法
- 粒子径測定法
- 粘度測定
- レオロジー測定
- ゼータ電位測定
- 熱測定
- エマルション界面の状態解析
- 乳化安定性評価法
- エマルションの不安定化要因
- 乳化状態変化の観測法
- 安定性予測試験
第3部 乳化・エマルションの状態解析および相図の 読み方/描き方、および実用系への応用
(2017年6月6日 15:00〜17:00)
- 乳化の状態解析
- 乳化状態の測定/解析と定量化の実際
- 界面活性剤が作る会合体とその挙動特性
- 会合状態・構造をいかに観察、測定し、構造を決定するか?
- 相図の読み方描き方と乳化系・可溶化系への応用
- 相図の基本と応用のための基礎知識 (読み方、描き方と、多成分系への応用)
- 乳化/可溶化解析のための相図の実際
- 実用系への応用
- 最適乳化/可溶化のための界面活性剤選択の基準
- 液晶、D相、マイクロエマルションを用いた乳化/安定化
- 高内相比エマルション生成のための界面活性剤選択と実際