(2017年5月31日 10:30~12:10)
レーザ装置の進化には著しいものがある。半導体レーザ、ファイバーレーザは発振器を稼働させるための苦労が不要で、メンテナンスフリーで量産稼働させることができる。自動車はもちろんのこと橋梁、造船~エレクトロニクス、太陽電池にいたるあらゆる産業分野で製品の生産にレーザ加工があたりまえに適用される時代となっている。異材接合のための樹脂と金属、CFRPと金属のレーザ接合技術の開発が進められ、適用が可能になってきており、レーザ溶着技術の適用も今後さらに拡大していくことが予想されている。 本セミナーではレーザの基礎から各種発振器の構造と特徴~レーザ樹脂溶着プロセス~異種材のレーザ溶着技術と、その特徴を生かした各分野での適用例について自動車への適用例を中心に学んでいただくことができます。
(2017年5月31日 12:50〜14:35)
車体の軽量化のために、ハイテン鋼、アルミ合金やマグネ合金の軽量非鉄金属、 そして樹脂・CFRPなどの構造材料を組み合わせて、ものづくりを行うマルチマテリアル化が今注目されており、そのために異種材料接合技術が必須技術となって きている。 本講演では、これらの異種材料接合技術について鉄鋼とアルミ合金に代表される金属同士の異材接合や、金属と樹脂・CFRPの接合技術の現状について 幅広く概説すると共に、金属と樹脂・CFRPの接合に関しては講演者が開発した摩擦エネルギーを利用した摩擦重ね接合について、その原理と接合機構を説明する。 本講演によりマルチマテリアル化に向けた金属/高分子/セラミックスの異種材料接合技術の概要を掴むことができる。
(2017年5月31日 14:50〜16:30)
CFRPは軽量で高強度・耐食性に富む材料であるため輸送機器を中心に今後用途拡大が期待されているが、コスト、生産性、耐久性およびリサイクルなど克服すべき課題は多い。これまで、輸送機器や産業機器、さらに建設土木などのインフラを支えてきたのは金属加工業であり、今後も重要な基盤産業であることに変わりはない。 一方、熱可塑性CFRPは、CFRP特有の軽量かつ高強度、耐食性に優れていることに加え、生産性、耐衝撃性さらに再利用性に優れており、今非常に注目されている。また、熱可塑性CFRPは金属のように加熱プレス成形が可能であるため金属加工業が参入しやすい先進材料である。 しかし、材料特性の理解、製品および金型の設計、加熱・搬送方法、および再利用時の破砕粉砕・混錬・再成形における技術課題も多い。 本講習では、熱硬化性と熱可塑性のCFRPの最新の適用事例を紹介するとともに、熱可塑性CFRPの様々な製造法ならびに、それらの製造における融着接合技術に着目し、近赤外線、電気抵抗、誘導など様々な加熱源を用いた事例とそれらの特徴について、欧州での最新事例と演者らが行った産学連携による研究開発事例を紹介し、今後の熱可塑性CFRPの用途拡大のための技術動向を提言します。