金属の電気抵抗は試料の長さに比例し、その断面積に反比例する。その時の比例定数が抵抗率と定義されている。従来はこの定義に則って、柱状の試料を作りその断面に対して一定電流を流し、別途作成した電圧電極間の電位勾配を測り、オームの法則から抵抗値を求めた。そして、上記の定義に基き抵抗率を算出していた。 (4端子法) そもそも抵抗率の定義が導かれた時代には、測定対象試料 (=材料) は金属が中心で均一組成と考えられていた。しかし、現在では材料技術は飛躍的に進歩し、金属、プラスチック、セラミックスのみならず、それらを複合した材料 (バルク体) や薄膜材料が日々開発されている。特に、電子材料の分野では、スマートホン等のモバイル端末の進化に伴い、リチウムイオン電池やプリンテッドエレクトロニクス材料等、急速な進歩を遂げている。また、自動車の電子化 (ハイブリッド、EV、FCV) によって、2次電池や燃料電池、モーターや周辺機器に大容量、高出力が要求されている。 まず、研究開発者にとっては材料の抵抗率を正しく測る事が重要であり、その次に各種材料の特性に合わせた測定方法やデータの解釈が必要となってきた。また、製造工程では、材料を加工した部品レベルでの品質管理のために、その材質・形状・目的に合わせた抵抗測定が必要となってきた。 本セミナーでは、基本的な測定方法について解説し、材料に合わせた応用例についても説明する。
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