ナノファイバー 嘘ホント

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本セミナーでは、エレクトロスピニング法や海島型複合紡糸法等など、ナノファイバーの製造技術に焦点をあてて4人の講師陣が様々な視点から解説いたします。

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プログラム

はじめに

 2000年頃から世界中でナノファイバーによって材料の産業革命が起きると言われ、世界中の研究機関や大学にて電界紡糸法によるナノファイバーの大量生産技術が研究開発されてきた。しかし、2017年時点においても世界のどこにも電界紡糸法を用いたナノファイバー量産装置は完成していない。特にPP、PET、PEに対応した溶融 (Melt) でナノファイバーを大量に生成する方式は存在しない。  株式会社 ゼタは、2006年から始まった「ナノファイバー国家プロジェクト」のプロジェクトリーダーである谷岡明彦東工大名誉教授 (現ゼタ社長) と髙橋光弘 (現ゼタ会長) によって設立され、2015年に電界紡糸法に代わるZetta Spinning法を開発した。これは、2015年8月にACS (American Chemical Society) に発表しBest Presentation Awardを受賞した。このZetta Spinning法は、溶媒 (solvent) 方式だけでなく溶融 (Melt) 方式にも対応したものである。

 この方式の特徴は、

使用例:セメントの強化材

 近年、地球温暖化や異常気象などで台風、ハリケーン、サイクロンの威力が大きくなっている。また、竜巻など発生も年々増加し、日本でもこれまで発生していなかった場所でも起きてきている。これらによって建物や道路、海岸線などが大きなダメージを被っている。そのため、セメントの強度を著しく増す必要がある。  セメントの強化材としていろいろな繊維が用いられてきたが、その中でナノファイバーを用いた強化材は世界初である。特徴としては軽くて錆びずにモルタル全体に広がることでひび割れが発生せず、ナノオーダーで全体に分散して強化することで全領域に対して安定した強度を保つことができ、且つPVAと併用することでセメントよりも5倍近い強度を出すことができる。これによりひび割れを防ぐことで水や海水の侵入を防ぐことができ鉄筋やセメントの耐久性を飛躍的に向上することができる。そのため、セメントの強化材としてナノファイバーは大きな役割を果たす。  セメントにナノファイバーを使用するとき、ナノファイバーはモルタルの0.9%~1%程度必要となる。モルタル1立方メートルの重さは約20,000Kgであるため、ナノファイバーは1% (20Kg) 必要である。  PPやPETでナノファイバーを作る方式はZetta Spinning法以外にMelt Blown方式 (生産量1Kg/h) やナノ分散紡糸法 (生産量1mg/h) などがあるが、生産量が少なすぎてセメント用に使用できない。Zetta Spinning法の最も大きな特徴として圧倒的な大量生産量 (100Kg/h) がある。米国の情報では、年間260万トン必要であるとし、世界中で1,000万トンの需要があると言われている。これに対応するには、1140トン/hの生産量が必要である。現在の装置の生産能力は1台で100Kg/hであるが、近い将来1トン/hの装置を開発するとZetta Spinning法では対応可能なものとなる。
「セメント強化材としてのナノファイバー市場」  原材料のPPバージン価格が300円/Kg程度であり、リサイクル品は60円/Kg程度である。初年度の販売価格を500円/Kgとすると、1,000トンでは5億円となる。米国の潜在需要である年間260万トンでは1300億円の市場となる。また、世界での需要は年間1000万トン以上あると言われているため巨大な市場となる可能性が高いと思われる。  本セミナーでは、上記に記した事柄も含め、ナノファイバーの特性とZetta Spinning方式によって開かれるナノファイバーの可能性について説明をしたいと考えている。

  1. ナノファイバーの可能性
  2. 電界紡糸法のダメな理由
  3. Zetta Spinning方式の原理説明
  4. Zetta Spinning溶媒方式の説明
  5. Zetta Spinning溶融方式の説明
  6. Zetta Spinning方式ナノファイバーの用途説明
  7. ナノファイバーの簡単な実験
    1. 超撥水性
    2. オイルキャッチャー
  8. ナノファイバーのアプリケーション
    1. 水の蒸発防止カバーの説明
    2. セメント強化材の説明
    3. 断熱・吸音材の説明
    4. 繊維径50nmを使ったPM2.5対策フィルターの説明
      1. これまでフィルターとの違い
      2. 究極のフィルター
    5. 担持・含浸技術の説明
    6. 水質汚染対策フィルターの説明
    7. 砂漠の緑化
    8. バイオジーゼル
    9. 厚み1μmの真空膜の可能性
  9. カーボンファイバーの特徴
  10. カーボンファイバーのアプリケーション

会場

大田区産業プラザ PiO
144-0035 東京都 大田区 南蒲田1-20-20
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