最適な分散剤の選定と 狙った分散を実現するための基礎 & 応用知識

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本セミナーでは、分散、界面活性剤の基礎から解説し、分散剤の使い方、分散剤の簡易選定方法、分散体の簡易評価方法について詳解いたします。

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プログラム

分散剤と言うとどのような粉体でも分散できるかと言うと決してそうではない。分散剤、分散溶媒 (水、溶剤) 、粉体の相関関係を十分に理解しないと最適な分散剤の選定が出来ない。相関関係とは分散剤、溶媒、粉体の親和性を考えなければならない。例えば金属酸化物を水に分散する場合は金属酸化物は親水性顔料であるため親水性の分散剤を使うと分散が旨く行く。疎水性のカーボンブラックの水への分散の場合は疎水基、例えば芳香環やイソブチル基などが共重合された分散剤を使うといった極性のバランスを考える必要がある。  このセミナーではこれらのバランスを考える基本となる界面活性剤の基礎及び粉体の極性、物性等分散に関連した項目を詳述する。またこれらの知識を応用し、ベストな分散剤の選定方法、試験方法についても学び応用の効く知識の習得を目指す。

  1. 分散とは … 分散と分散剤の関係。
    • 分散剤はどのような粉体でも分散できるか。答えはNO!である。何故か、どうすれば安定な分散が得られるか。
  2. 粉体について
    粉体の粒子径 (Particle Size) と粒子形 (Particle Shape) と分散との関係
    1. 粒子径と粉体凝集性の関係 … 何故粉体は凝集するのか。凝集の原理。どうすれば凝集をほぐせるか。
    2. 粒子形と粉末凝集性 … 平面体は凝集しやすい。何故か。
    3. 微粒子の持つ表面エネルギーと凝集性 … 粒子は細かくなればその被表面積が増し表面エネルギーが増大し不安定になる。この大きな表面エネルギーを低減すべく粒子が集まる。即ち凝集することになる。
  3. 分散の三要素とは 水系分散、溶剤系分散を考える時の根本的な概念として分散の三要素がある。
    1. ぬれ性 … 凝集粒子 (二次粒子) のぬれ及び膨潤性について
    2. 解きほぐし性 … 凝集粒子 (二次粒子) の一次粒子への解きほぐし
    3. 分散の安定性 … 一次粒子になった粉体の再凝集・沈降の防止による安定な分散体の完成
  4. 分散及び分散剤を理解するための界面活性剤のキーワードについてその意味と使い方
    1. 界面活性剤とは;
      • 界面活性剤の基礎知識をつけると分散に限らず他の化学的現象、例えば消泡、粘性調整等も理解できるようになる
      • 界面活性剤の基礎 … 界面活性剤を理解するための基礎知識の理解
    2. 分散を理解するための界面活性剤の基礎知識
      • 表面張力 … お互いに接する面積を最小にする力 … 粉体の凝集の主要素
      • ぬれ性 … 凝集状態している粉体をぬらし膨潤する力
      • ミセル … ミセルの中に粉末を取り込み分散を完成
      • HLB … 親水性と親油性のバランス。水系分散、溶剤系分散への関連付け。
  5. DLVO理論とは
    • 電気二重層、ゼータ電位と分散・凝集の関係について
    • 高分子分散剤を使って分散体を作成した時のセータ電位との関係について
  6. 水系分散剤について
    1. 水系分散剤選定のポイント
      • 粒子径、粒子形と分散剤の組成の関係 … 微粒子になればなるほどぬれ性を重要視する
      • 粒子径、粒子形と分散剤の分子量の関係 (低分子量分散剤か高分子量分散剤か)
      • 酸化物系粉体 (親水性粉体) と非酸化物系粉体 (疎水性粉体) と分散剤の極性の関係
      • 粉体の極性と最適分散剤の関係
      • 低分子分散剤と高分子分散剤の分散理論の違い … 低分子系はぬれ性に富み、高分子系は安定性に優れる
      • 低分子分散剤 (湿潤・分散剤) … 静電的相互作用 (浸透圧効果) の単一作用による分散。分散が不安定。
      • 高分子分散剤 … 容積制限効果、浸透圧効果の2作用による安定な分散系が得られる。
      • 高分子分散剤の一般的特徴
    2. 分散剤の選び方
      • 粒子径により低分子湿潤・分散剤を使うか高分子分散剤を使うか。或いは両方を併用するかのポイントを得る。
      • 代表的な市販水系高分子界面活性剤型分散剤の紹介
    3. 分散剤の選定方法と評価方法例
      • スパチュラ法 … 最適分散剤選定の簡易方法
      • 粘度・添加量曲線作成 … 分散剤の選定簡易方法。
      • 試験缶沈降試験 … スラリーの安定性簡易試験法
      • その他;各種測定装置
  7. 溶剤系分散について
    1. 溶剤系塗料で顔料を取り巻く環境の理解、解釈とその応用
    2. 溶剤系分散でのポイント … 水とは異なり溶剤は極性が大いに異なる
      (高極性溶剤、中極性溶剤、低極性溶剤) ので粉 体、溶剤、分散剤の最適な組み合わせを見つけることが難しい。
      • 溶剤と顔料、樹脂、分散剤の親和性と分散の関係
      • 分散成分 (粉体、溶媒、高分子等) の相溶性、極性、相性
      • SP値について … SP値の発展形のHSP値 (ハンセンパラメータ) について
      • 酸・塩基相互作用 (各種材料の酸性、塩基性の見極めが重要;お互いに反対の極性の組み合わせがポイント)
  8. 水系、溶剤系分散剤のメーカー、代表品名一覧
  9. 参考文献一覧

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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