製品の構成要素から製品全体の改善につなげるFMEAは設計審査や設計に欠かせない手法である。その範囲はDRBFMのような短期開発の手法から、広く未然防止の手法として安全や医療分野への適用が進んでいる。また、最近では安全確保の指針 (厚生労働省) 指針にも活用がガイドされている。一方で、多くの企業でFMEAの形骸化が問題となっている。手法としては理解していても、成果を上げるにはFMEAの狙いと原理の理解と、適切な準備に基づいた実施が必要である。
この講座では初心者から推進者を対象に、理解してほしいFMEAの基本と解析の進め方について実習を交えて説明し、そのポイントを紹介する。また近年見直しが進むFMEAの国際規格 (IEC60812) について、その背景と動向についても紹介する。
- 品質の保証とFMEAの役割
- 品質の変化と品質保証の難しさ
- 「時間依存の品質」と「時点の品質」
- 信頼性の基礎知識
- ディペンダビリティとは (事例からの教訓)
- 設計審査の基本とFMEAが形骸化する理由
- 未然防止と再発防止
- FMEAの基本と体系的な理解
- FMEAをやらない理由/やりたくない理由
- FMEAの原理と出来る事/出来ない事
- 故障と故障モード
- FMEAを成功させるための準備とリソース
- FMEAの種類と応用
- FMEAの解析手順
- FMEAの基本ステップ
- 対象の定義と可視化 (信頼性ブロックと機能ブロック)
- 故障モードの抽出とその影響解析
- FMEAシートと解析の進め方
- FMEAの弱点/限界と注意点
- 結果の見方
- 実務に役立つFMEA
- 信頼性設計とFMEA
- 設計FMEAの進め方
- FMEAのフォームと応用
- メンバーの役割
- FMEAを用いた改善
- いろいろなFMEAとFTAとの関係
- FMEA国際規格とその動向
- IEC60812/JISC5750-4-3
- 改訂の背景と動向
- 安全確保の指針 (厚生労働省) でのガイド