近年、環境へおよぼす影響を軽減できる電気自動車やハイブリッド車の普及がすすんでいる。これらの車両ではエンジン騒音は小さくなったが、ロードノイズなど他の騒音の寄与が相対的に大きくなってきている。
その一方、環境性能の観点から燃費向上のため車両の軽量化は必須の検討項目となっており、制振材・吸音材・遮音材などの防音材料も質量に対する騒音抑制の効果 (質量効率) を大きくすることが求められている。
本講演では防音材の質量効率を向上させることを目的に、仕様の適正化などを検討した事例について紹介する。
- 音と振動の基礎
- 質点系の振動 (1自由度系および2自由度系)
- 連続体の振動 (梁および板)
- 開空間における音
- 閉空間における音と共鳴現象
- 制振材料による振動低減
- 物理的な現象の説明
- 損失係数とその同定方法
- モード損失係数
- 制振材料の貼付位置の適正化
- ヘルムホルツのレゾネータによる騒音低減
- 物理的な現象の説明
- ダイナミックダンパーとの比較
- 減衰レベルの予測と評価
- 最適な寸法・構造
- 遮音材料による騒音低減
- 物理的な現象の説明
- 透過損失と挿入損失
- 質量則とコインシデンス効果
- 二重壁による性能向上と共鳴透過による性能低下
- 伝達マトリックス法による透過損失の予測
- 有限要素法による透過損失の予測
- 吸音材料による騒音低減
- 物理的な現象の説明
- 吸音率とその測定方法
- Biotモデルによる吸音率の予測
- 微細空間における吸音
- 吸音材の配置最適化
- 均質化法による吸音材料の設計
- 吸音材の微視構造
- 電子顕微鏡およびμX線CTによる特徴観察
- 均質化法による微視構造を用いた吸音率の予測
- 3Dプリンターにより造形した吸音材による実験検証
- 微視空孔間にはられた膜の吸音率への影響
- 均質化法と最小二乗法によるBiotパラメータの推定