本セミナーでは、慢性腎臓病について現在の薬物療法の現状と共に、期待される新規治療薬展望について解説いたします。
慢性腎臓病 (CKD) は、本邦では1330万人もの患者がいると想定され、まさに国民病とも言える。病期が進行すると、透析や腎移植といった腎代替療法が必要となる。加えて、末期腎不全に至る前のCKDであっても心臓病や脳卒中を発症する危険性が高まることが明らかになっている。 しかし、現状ではCKDを治す力のある治療は存在しない。腎炎・ネフローゼ症候群に関しては、治療法が進歩してきているが、感染症死などまだまだ課題は多い。我が国の末期腎不全診療に関しては、血液透析が圧倒的に多く、腹膜透析が極端に少ないという問題が存在する。腎移植はさらに少ない。 このような腎臓病診療に関わる課題を解決することは我が国の医療における最優先課題のひとつと考える。