第1部 衝撃現象・破壊の基礎と耐衝撃性の評価・試験法
(2017年5月16日 10:30〜14:20)
衝撃工学という分野の敷居が高く見えるのは、大学の時間割でもこのような科目名がポピュラーではないことをはじめとして、応力が波動として伝ぱすることによる準静的負荷では見られない破壊モードが観察されること、材料の応力-ひずみ曲線の形状が変わってしまうことによる。
波動伝ぱについてはいくつかの実例を紹介する。応力-ひずみ曲線の速度による形状変化については過去に取得した実験結果をできるだけ多く紹介し、その程度を感覚的につかんでもらいたい。
耐衝撃性の改善は製品差別化の手法の一つです。材料や製品ごとに経験の積み上げが必要な世界の話をしましょう。
- 衝撃工学とは何か
- 衝撃特有の破壊モード
- 波動であるという前提
- 重ね合わせの原理が決め手
- 応力-ひずみ曲線の形状変化 (ひずみ速度効果)
- ひずみ速度の定義
- 鉄鋼の場合
- アルミニウム合金
- プラスチック
- 複合材料
- 衝撃破壊
- 応力波の種類
- 特有の破壊モード
- 計算力学との距離感
- 実験事実に基づく基礎的な構成方程式
- 材料定数を決めるだけの構成方程式
- 時間も要素も細かく、最適な座標系と時間積分法の選択
- 高速材料試験方法
- どうして一般的な材料試験機の高速化で対応できないのか?
- オリジナルのスプリット・ホプキンソン棒法
- 引張り型のスプリット・ホプキンソン棒法
- ワンバー法
- 実験方法の違いによる実験データ互換性の問題
- 高速引張り試験機によって得られた知見
- 今後、衝撃工学を学ぶには
第2部 高速度カメラによる衝撃・破壊現象の観察のテクニック
(2017年5月16日 14:35〜15:35)
近年のイメージセンサの急速な進歩により、従来では考えられなかったような高速現象を可視化できるようになってきた。高速現象の中でも、衝撃による材料破壊や衝撃波は、従来から可視化の要望が強かったが、現象の時間オーダーがμsと非常に短く、可視化には高速撮影の知識が不可欠である。
本セミナーでは、衝撃・破壊現象の高速撮影を実施する際に必要な基本的な事柄を解説するとともに、材料破壊、衝撃波における実際の撮影事例を紹介する。
- 高速撮影とは
- 高速撮影のはじまり
- なぜ高速撮影が必要なのか?
- 高速撮影の応用分野
- 高速度カメラ
- 高速度カメラの種類
- バーストセンサカメラ
- 光学系と照明
- 撮影光学系
- カメラレンズ
- 拡大光学系
- 特殊光学系
- 照明光
- 散乱光とバックライト
- 連続光とストロボ
- レーザー光源
- トリガ
- 高速撮影時のトリガ
- 現象に対応したトリガ信号
- 接点トリガ
- 光トリガ
- 衝撃/圧力トリガ
- その他のトリガ
- 撮影条件の検討
- 撮影速度、露光時間
- トリガディレイ/フレーム
- 撮影・解析事例
- 高速材料試験
- CFRPの高速引張
- 画像相関法 (DIC) とは
- CFRPの高速三点曲げ
- 高速衝突
- 樹脂ブロック中の応力波観察
- 衝突時の3D-DIC解析
- 衝撃波の可視
- 最後に
全体質疑
(2017年5月16日 15:35〜15:55)