オープンイノベーション時代で勝ち残る再生医療等製品の共同開発戦略と事業性評価

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プログラム

第1部 再生医療新法に対応した特定細胞加工物の共同研究・開発の留意点

(2017年5月18日 10:00〜11:30)

 再生医療新法に対応した特定細胞加工物による共同研究・開発を考えた場合、製造許可取得だけでは難しく、法律趣旨の理解、医療機関・再生医療等委員会への対応などが必要となります。  本講座では、規制動向、関連法律との関係、実際に行った現場対応内容などを紹介し、共同研究・開発に必要な内容について述べます。

  1. ヒト幹指針から再生医療新法までの経緯
    1. ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針
    2. 医政発0330第2号医政局長通知
    3. 免疫細胞療法細胞培養ガイドライン
    4. 再生医療等の安全性の確保等に関する法律 (再生医療新法)
  2. 再生医療新法とその構成
  3. 医師法と再生医療新法/薬機法との関係
  4. 再生医療新法下での必要文書
    1. 再生医療等提供計画
    2. 特定細胞加工物標準書と特定細胞加工物概要書
    3. 各種契約書 (製造委託契約書、再生医療等委員会との契約書)
  5. プロトコール (原材料 (採血) から出荷・輸送・保管まで) の共同開発
    1. 施設・機器・試験等の管理レベルの考え方
    2. 研究用試薬・資材と臨床利用を意図した試薬・資材の違い
    3. 治療用細胞の製造レベルで要求される安全性試験
    4. 輸送方法のバリデーション要否の考え方
  6. 認定再生医療等委員会への対応
    1. 再生医療等提供基準チェックリスト
    2. 審査指摘事項に対する対応
  7. 再生医療に関する国内外の動向
    1. 基盤技術開発と事業展開
    2. 再生医療新法成立前後の法施行に関連した動向
    3. 再生医療に関する国内外の動向

第2部 再生医療分野における保険制度と適応のポイント

(2017年5月18日 11:45〜13:00)

 日本の再生医療を取り巻く環境は急変しており、画期的な治療手段としてのみならず、新たな産業としても注目を集めつつある。この注目や期待に対応するように「保険」に関する制度も変わりつつあり、今後、再生医療を提供していくにあたり、重要な側面となってくることが予測される。  よって、本講座では、①研究の段階での保険の制度上の問題、②承認された後の薬価や技術料などの保険償還上の例と今後、③研究、診療上の患者の健康被害に対する保険の問題に分けて、再生医療を取りまく保険制度について解説することとする。

  1. 日本の医療保険制度と再生医療研究
    1. 医療保険
    2. 先進医療
    3. 治験
  2. 再生医療の保険償還
    1. 保険償還の現状の考え方と事例
    2. 費用対効果の考え方の導入について
    3. 保険償還のポイントについて
  3. 再生医療の安全性確保について
    1. 研究や自由診療で実施される再生医療への規制
    2. 健康被害への補償制度について
    3. 健康被害補償のガイドライン
  4. 今後の展望と課題
    1. 再生医療等製品の保険償還への展望
    2. 再生医療技術の保険収載への課題

第3部 再生医療の特許取得動向から探る狙うべき製品のヒント

(2017年5月18日 13:45〜15:15)

 特許事務所で仕事をしていると、もし自分が開発者側であったら〇〇したのに、と歯がゆく思うことがよくあります。  本講演では、その歯がゆさに沿って、製品開発や特許取得の参考となる点をお伝えします。

  1. 医薬バイオを中心にした特許制度の基本
    1. 基本的な特許法の考え方
    2. 医薬バイオ独特の特許制度の解説
    3. 主要国の特許制度
  2. 再生医療を中心にした医薬バイオに関する特許検索
    1. 特許検索の方法
    2. 先行技術文献の探し方
  3. サーチした文献の解析のポイント
    1. サーチした文献のどの部分に着目すべきか?
    2. 審査書類情報の活用について
      1. 拒絶理由通知書の読みどころ
      2. 意見書まで読むべきか?
  4. 特許からみた狙うべき製品のヒント
    1. サーチした結果から、開発の方向性の見出し方

第4部 事例から学ぶ共同研究・開発への取り組みと課題~日立製作所

(2017年5月18日 15:30〜17:00)

第5部 再生医療等製品承認申請の進め方と機構相談

(2017年5月18日 10:00〜12:00)

 再生医療等製品の開発や承認申請においては、医薬品や医療機器とは異なる考え方やアプローチが必要になる場面が多い。  本講座では、再生医療等製品の特質を踏まえ、品質・非臨床安全性試験・臨床試験の各ステップにおいてどのような点に留意したらよいか、スムーズに開発を進めるためには医薬品医療機器総合機構 (PMDA) の各種相談サービス、特に薬事戦略相談をどのように利用したらよいかについて述べる。

  1. 再生医療等製品開発の概観
    1. 再生医療とは
    2. 再生医療等安全性確保法と医薬品医療機器等法
    3. カルタヘナ法
    4. 再生医療等製品開発のロードマップ
    5. 確認申請制度廃止と薬事戦略相談
  2. 再生医療等製品の品質
    1. 再生医療等製品の品質における課題
    2. 生物由来原料基準
    3. 工程由来不純物
  3. 再生医療等製品の非臨床安全性試験
    1. 再生医療等製品の安全性問題
    2. 毒性評価の考え方
    3. 非臨床安全性試験のデザイン
  4. 再生医療等製品の臨床試験
    1. 治験開始にあたって
    2. 再生医療等製品の特殊性
    3. 治験デザイン作成における基本的考え方
  5. 承認審査
    1. 承認審査のプロセス
    2. 条件及び期限付承認制度
    3. 先駆け審査制度
    4. 開発者からよく聞かれること
  6. 活用してほしいリソース
    1. 医薬品医療機器総合機構の相談メニュー
    2. 各種情報サイト

第6部 国内外での細胞 (再生を含む) 医療の開発・市場動向と狙うべきビジネスの方向性

(2017年5月18日 12:45〜14:30)

 再生医療を中心とした細胞医療の事業化には現在、大まかに生細胞を加工、均一化した上で体内に戻す医療応用とヒト由来の細胞を創薬に活かすリサーチツールの2種類に別れる。  いずれにしても倫理的、法令上の厳しい制限下 (特に国内では) で事業化しなければならないが、規制当局とも協調してイノベーションを生み出そうとする世界的な潮流は日本にも波及しつつある。  このような背景を国内外の事業化・研究事例を示しながら概説する。

  1. 細胞医薬品の開発動向と今後の展望
    1. 細胞医療の定義
    2. 細胞医療の歴史
    3. 細胞医薬品に用いられる細胞の種類
    4. 細胞医薬品の開発動向
  2. 細胞医薬品の移植投与におけるデバイスの開発
    1. 心疾患
    2. ALS
    3. 変形性関節症
  3. カプセルに封入した細胞医薬品の研究動向
    1. 糖尿病
    2. 眼領域
    3. 悪性新生物
    4. パーキンソン病
  4. 細胞医薬品におけるモデル動物作成とその評価
  5. 細胞医薬品における臨床試験の進め方
  6. 細胞医薬品製造法構築のポイント
    1. 細胞医薬品製造の要件
    2. 細胞製品製造システムの構成要素
    3. 幹細胞培養装置の開発事例
  7. 細胞培養装置の日常管理
  8. 細胞 (医薬品) を輸送する際の留意点
    1. 細胞医薬品の形態
    2. 搬送容器、搬送手段に係るガイドライン
    3. 搬送容器の基本構造
    4. 既に認可されている再生医療製品の保管・輸送
    5. 再生医療製品の搬送システム
  9. 細胞医薬品開発における特許状況と特許戦略
  10. 国内外における細胞医薬品開発への取り組み事例紹介など

第7部 再生医療開発・参入のための事業性評価

(2017年5月18日 14:45〜16:30)

 開発しようとしている再生医療製品の事業性評価をする時、幾つかの評価ポイントがある。1) 市場性があるか、2) 医療ニーズに合っているか、3) 費用対効果の検証ができているか等である。実際の評価に際しては、この3点も含めて評価基準を決めて評価すべきであるが、再生医療製品に関しての成功例はほとんどないことから、定量的な評価は難しい。そこで本講演では、開発・参入を目指す再生医療製品設計に対して何らかの相対評価を加えることで、再生医療製品の事業性を評価しようという一つの試みを紹介したい。  企業が再生医療開発に参入するためには自社が持っている技術プラットフォームを再生医療に応用できることが前提となる。自社の技術プラットフォームを用いることにより、どの様な出口設計ができるか、即ちどの様な再生医療製品を具体的にイメージし、設計することができるかが事業性評価の際のポイントとなる。再生医療製品を具体的に設計するために必要な基本的要件・項目、6ポイントについて以下に示す。

  1. 再生医療製品の市場動向
  2. 再生医療製品医療へのニーズ動向の変化
  3. 再生医療製品に対する規制・許認可動向の分析
  4. 臨床研究環境の動向の分析
  5. 再生医療製品の薬価決定の動向の変化
  6. 再生医療製品の存在価値について (費用対効果の検証方法について)

 これらの要件・項目に関して現状を分析し、将来予測を行うことになるが、再生医療製品が臨床応用されるまでには10年以上の開発期間が必要となることから、それぞれのポイントに関して10年後の予測が必要となる。設計された再生医療製品がこの予測をどの程度反映しているかを相対的に評価し、6ポイントに関して評点を付け、それぞれの評点の合計を出す。他社の再生医療製品や競合製品の相対評価も評点で表し、例えば、これと比較して、合計点数が高ければ他社製品より相対的に優位であると評価することができる。あくまで開発しようとする再生医療製品の相対評価であり、この製品が医療として受け入れられ、利益を生むかどうかに関しては他の要因が絡むということを忘れてはならない。より正確な相対評価が必要なら、要件・項目を増やせばよいことになる。この評価方法は、少なくとも再生医療製品が臨床開発を行うだけの価値があるかどうかの判断、更には事業性の相対的な評価には使えるであろう。

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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