本セミナーでは、モータの部分放電の要因と対策手法を分かりやすく解説いたします。
(2017年5月17日 12:30〜14:30)
高効率化の観点からインバータ制御のモーター等が使用されていますが、同時にインバータサージが発生し、絶縁システムに大きな影響を及ぼすことが知られています。 本講演は電気工学を学んだ初級絶縁技術者を対象とし、絶縁破壊、絶縁劣化の基礎を学ぶとともに産業上・工学上・学術上非常に重要となっているインバータサージが絶縁システムに与える影響およびその対策を具体的研究例を含めて紹介します。
(2017年5月17日 14:45〜17:00)
ハイブリッドカー (HEV) や電気自動車 (EV) のインバータ駆動モータの開発において、小形軽量化とともに、高電圧化による高回転・高出力化が進められている。過酷な使用条件下におけるこれらエコカーの高い安全性の確保のためには、モータの絶縁性能の確保が要求される。しかし、インバータ駆動モータ特有のインバータサージと呼ばれる立ち上がりの急峻なインパルス電圧によるモータ絶縁システムのトラブルの発生が危惧されており、開発現場では今、その対策と計測評価技術が重要な課題となっている。 モータ絶縁の劣化損耗はこの繰り返しサージ電圧によって発生する部分放電が主原因であるが、その発生メカニズムや検知の方法は、従来のAC電圧の場合と比べて大きく異なっており、十分に理解されていない。その理由は、ナノ秒時間スケールの部分放電現象の発生が、様々な環境要因 (気圧、温度、湿度) で複雑に変化するためである。 電気学会調査専門委員会では、多くのメーカと大学が協力しながら2014年に発行された国際電気標準会議 (IEC) 規格に準拠した共通試験を実施し、実機モータでの絶縁評価法について詳しく調べてきた。本講演では、調査委員会でまとめた部分放電特性とその共通実験内容を中心に基礎からわかりやすく紹介する。