本セミナーでは、プラスチックレンズ用樹脂に求められる耐熱、屈折特性を実現するための成形加工について詳解いたします。
(2017年5月10日 10:00〜11:30)
近年、車載や監視、通信用途で多くの光学素子が使用されています。高密度実装のための光学素子リフロー対応や、電子部品の発熱に対応するために、光学素子へ高い耐熱性が要求され始めています。 精工技研では、熱やUVで硬化する硬化型樹脂を用いた、光学素子の開発、製造、販売を行っています。硬化型樹脂は、高い耐熱性を有するため、高温で使用されるアプリケーションでは、熱可塑性樹脂よりも高い安定性を持ちます。また、硬化型樹脂は製法上、小型化や薄肉化にも有利です。さらに、高温でもクラックの発生しない反射防止コートも自社で成膜可能であり、このクラックフリーARコートについても紹介を予定しています。
(2017年5月10日 12:10〜13:40)
光電子材料では小型化・軽量化・高画素化・高耐久化などのトレンドが今なおある。アプローチの例として、フルオレン骨格を有する光学樹脂の特性・成形性及び応用事例について紹介する。 特に高屈折、高耐熱、高流動性などの特性向上の効果と、評価方法の例を挙げ、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂などについて、特徴となる物性例を紹介する。
(2017年5月10日 13:50〜15:20)
スマートフォンなどに搭載される小型精密カメラレンズの材料としては、高屈折率・低複屈折材が不可欠である。 本講座では、レンズ用途に適応し得る、高屈折率・低複屈折特殊ポリカーボネート樹脂について、分子設計からその構造を明らかにしつつ、主要光学特性の屈折率・アッベ数と複屈折に焦点を当てて解説する。また、レンズにおける特性評価についても述べ、一例を紹介する。
(2017年5月10日 15:30〜17:00)
サーモグラフィ、ナイトスコープ、セキュリティシステムなどには、数マイクロメータから数十マイクロメータの波長範囲の遠赤外線の撮像装置が使用される。遠赤外線撮像装置用の結像光学系をレンズなどの透過型光学素子によって実現しようとすると、従来のレンズには、遠赤外線の吸収の少ない材料として、ゲルマニウムやカルコゲナイトのような高価な材料、あるいはシリコンのように加工方法が切削に限られ、コストが高くなる材料が主に使用されている。一方で、一般的な光学レンズの材料には主にガラスや樹脂が使用され、特に樹脂は射出成型等の手法を用いて低コストで大量に光学レンズを生産できるという利点があるが、一般的に遠赤外線に対する樹脂材料の透過率は、遠赤外線の吸収により光量が不足するので、遠赤外線用撮像光学系に可視光用撮像光学系と同様の樹脂レンズを使用することはできない。低価格の結像光学系を実現するには、樹脂成形及び反射コートの施された反射鏡や、樹脂を使用した薄型レンズの光学系が好ましい。 本講座では、十分な光量を得ることのでき、十分な明るさを備えた、コンパクトな樹脂製の反射光学系と透過型のレンズを製品設計のコンセプト、製作過程、評価結果を紹介する。また、現在多くのアプリケーションの主流となっている、近赤外線を用いた測距用の光学系について紹介する。