次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を用いた新しい化学プロセスとその応用

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プログラム

第1部 次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶の 開発・特徴

(2017年5月10日 10:30〜12:00)

 従来は、次亜塩素酸ナトリウムは強塩基性の希薄水溶液としてしか用いることができず、低温保存下でも徐々に分解するなどの問題点を抱えていた。日本軽金属は次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶の工業化に世界で初めて成功し、2013年に市場投入した。これは高純度で低温保存ができ、結晶であるため秤量も容易である。  本講座ではその開発の経緯を解説するとともに、特徴・物性・安全情報についても説明する。

  1. 次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶の開発
    • 日本軽金属における次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶の工業的製造法開発の経緯
  2. 次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶の特徴
    • 次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶の従来の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に対する優位性
  3. 次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶の物性・安全情報
    • 取り扱う上での注意等

第2部 次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を 用いた環境調和型酸化反応

(2017年5月10日 13:15〜14:45)

 次亜塩素酸ナトリウムは酸化剤として用いることができるが、酸化反応後に生じる廃棄物は無害な食塩 (塩化ナトリウム) だけであるため、環境調和型の酸化反応が可能である。  亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を酸化剤として用いると、従来の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いた場合よりも優れた結果を示すことが多く、有機合成化学上有用である。  本講座ではそれらの詳細について解説する。

  1. アルコールのTEMPO酸化
    1. アルデヒド・ケトンへの酸化
    2. カルボン酸への酸化
  2. 有機硫黄化合物の酸化
    1. スルフィドのスルホキシドへの酸化
    2. スルフィドのスルホンへの酸化
    3. チオール・ジスルフィドからのスルホニルハライドの合成
  3. その他の酸化反応
    1. グリコール開裂
    2. イミン酸化によるオキサジリジン合成
    3. キノンおよびその誘導体の合成

第3部 次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を 用いたハロゲン化反応

(2017年5月10日 15:00〜16:30)

 次亜塩素酸ナトリウムは塩素陽イオン等価体として働くことができるため、有機化合物の求電子的塩素化に用いることが期待できる。しかし従来の次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、希薄で強塩基性である等の欠点からか、あまり求電子的塩素化剤としては用いられてこなかった。  次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を用いれば有機化合物の効率的な塩素化が可能である。また、臭化物イオンやヨウ化物イオンと次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を組み合わせると、有機化合物の求電子的臭素化・求電子的ヨウ素化も可能になった。  本講座ではそれらの詳細について解説する。

  1. 芳香族化合物の求電子ハロゲン化
    1. 芳香族化合物の臭素化
    2. 芳香族化合物のヨウ素化
    3. 芳香族化合物の塩素化
  2. アルケン類のハロゲン化
    1. アルケン類の臭素化
    2. ハロラクトン化
  3. その他のハロゲン化反応

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