軽量化による燃費向上の期待から、炭素繊維強化プラスチック (CFRP) の自動車分野への本格的な適用が検討されており、量産車への採用も現実的になってきている。
量産には熱可塑性樹脂を母材とするCFRTPが向くが、強度の問題からエポキシによる熱硬化がまだ中心となっている。
このような現実を背景に、本セミナーではプラスチック・化学・自動車・家電等の技術・開発に携わる方々を対象として、繊維強化プラスチックの最新情報を紹介し、強度向上を目指す。
本セミナーの特長は、 (1) 図示やデータによるやさしい解説、 (2) 強度向上の具体的な方法の明示、 (3) X線CTによる3次元観察例にある。
- 繊維強化プラスチックの開発動向
- 自動車におけるCFRPとCFRTPの適用可能箇所
- NEDOの「ハイサイクル一体成形」
- 超高速硬化エポキシ樹脂の開発
- 多点注入による高速樹脂含浸
- CFRTPの成形加工技術の開発動向
- 高速スタンピング成形と内圧成形
- 射出成形 (直接成形、ハイブリッド成形)
- Bond Laminates 社の技術開発
- 現場重合ナイロン6を用いた連続繊維強化CFRTP
- NEDOの「サステナブルハイパーコンポジット技術」
- CFRTP中間基材の開発
- 一方向性基材と等方性基材の曲げ強度
- 高速成形と接合技術
- ダブルベルト・プレスを用いた連続含浸
- 繊維強化プラスチックの弾性率
- 一軸配向材料の弾性率:縦引張・横引張・せん断・曲げ
- 繊維長増加による引張弾性率の向上
- 繊維の配向による引張弾性率の向上
- 一軸配向と二次元・三次元にランダム配向材料の比較
- 繊維強化プラスチックの強度
- 強度は何で決まるか
- 一軸配向材料の強度:縦引張・横引張・せん断・曲げ
- 繊維の配向と引張強度・曲げ強度の向上
- 繊維に加わる引張応力とせん断応力の分布
- 臨界繊維長とは
- 界面せん断強度 (IFSS) の測定法
- 破壊モード:樹脂/界面破壊と繊維破断
- 破壊モードに及ぼす繊維長の影響
- 強度向上の具体的方法
- 繊維長・界面の接着力・繊維配向
- 界面接着性の向上
- シランカップリング剤:ガラス繊維
- 樹脂と炭素繊維の相互作用
- 樹脂と炭素繊維の表面・界面エネルギー
- マレイン化PP/酸化処理CFの相互作用
- 変性PP/炭素繊維の界面せん断強度
- 一軸配向材料の繊維方向と直角方向曲げ強度
- 樹脂自身の強度・弾性率が及ぼす影響
- 射出成形と長・短繊維の配向
- キャビティー内の速度分布と流線
- 高分子の配向と繊維の配向
- 成形品厚み方向の繊維配向分布
- メルトフロントでの繊維配向の観察 (X線CT)
- ウェルド部における繊維配向の観察 (X線CT)
- コンピューター・シミュレーションの予測との比較
- X線CT画像から繊維の配向分布関数を求める