グリーンシートは主に非水系で生産されている。有機溶剤が火災源になることに加え、溶剤の毒性が大気汚染、さらに人体に悪影響を与えるという問題がある。
これに代わるエコフレンドリーな水系のプロセスはこれまで長い間期待されながら、水系での生産は一部に限定されているのが現状である。以下に述べるような課題が考えられる。
- 有機溶剤に比べて蒸発しにくく、生産性が劣る
- 湿気に対して敏感である
- 非水系ポリマーに比べて熱分解性が劣る
- テープ中のセラミックスの充填度の制御方法
- インク中の有機溶剤との濡れ性に劣る
本セミナーでは水溶性アクリル樹脂 (バインダー) を例としてサスペンジョン、テープに関する基礎的な事項を説明する。設備やインフラを含めた製品化のための開発の一助としたい。
- ファインセラミックスのテープ成形プロセス
- テープ作製に用いられる成形プロセスと使用される代表的な樹脂 (非水系、水系)
- テープ成形 (ドクターブレード法等)
- 押出し成形
- 粉末圧延
- インジェクション
- 水系サスペンジョンの基礎研究
- 低分子酸 (アジピン酸) の金属酸化物 (アルミナ) への吸着
- アジピン酸、アルミナのpHによるゼータ電位の変化
- アジピン酸のアルミナへの吸着挙動の分子論的な解析
- カルボキシル基を持つ水溶性アクリル樹脂の吸着挙動、サスペンジョン、テープ特性の予測
- 水系サスペンジョン、テープ特性に及ぼす諸因子の影響、考察
- ポリマー水溶液のpH
- ポリマー水溶液の粘度、ポリマーフィルム特性
- サスペンジョンのレオロジー特性 (粉体、溶媒、ポリマー間の相互作用から考察)
- 乾燥過程におけるサスペンジョンの粘弾性の変化とテープ特性
- ポリマーの中和剤の添加方法 (前、同時、後添加)
- ポリマーの酸価
- 分散剤とポリマーの相溶性
- 質疑応答