京セラコミュニケーションシステム (KCCS) によるSigFox、ソフトバンクによるLoRaが本年2月より相次いでサービス展開が開始された。SigFoxもLoRaも今後もさらなる展開の拡大が見込まれているが、これらの独自仕様のLPWAに対抗するため、2018年からは通信事業者3社によるLTE版LPWA (LTE-M Cat.1, NB-IoT Cat.M2) のサービス展開も計画され、多くの実証実験が進められている。今後これらの広域センサネットワークは、大市場を創出するIoTの中核としてさらなる競争、拡大を繰り広げる。2020年にサービスが開始されるIMT-2020 (5G携帯電話網) においても多数同時接続サービスとして規格化が進められている。 本講義では、1990年代末以降のセンサネットワークの歴史 (ZigBee, Wi-SUNなど) を概括した後、SigFox, LoRa等独自仕様のLPWAの技術仕様とその海外・国内における展開状況・サービス、国際標準仕様のLTE版LPWAの技術仕様とその海外における展開状況・サービス、IMT-2020における検討状況、これらの間の比較について説明した後、今後のIoT、広域センサネットワークの展望を述べる。