第1部. オーファンドラッグの医療経済評価 (費用効果分析)
(2017年4月27日 10:30〜12:00)
2016年4月から費用対効果評価の試行的導入が開始され、今後様々な値付けの場面で費用対効果が考慮されることが予想される。費用対効果は、開発戦略立案においても必須の情報となることは間違いない。
本講演では、費用対効果の基本考え方から試行的導入の概要、様々な価値評価の方法まで、費用対効果に関する情報を幅広く紹介する。
- 費用対効果の基本的考え方
- HTAと医療経済評価
- ICERとQALY
- モデルと感度分析
- 費用対効果評価の試行的導入
- 制度の概要
- 分析ガイドライン
- オーファンドラッグの医療経済評価
- 「価値に見合った価格」とは
- 様々な医療経済性の評価
第2部. ドラッグ・リポジショニングによる難治性小児肝疾患の克服への挑戦
(2017年4月27日 12:50〜14:20)
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症は、小児期に発症する最も重篤な肝疾患である。内科的療法は確立しておらず、肝移植が奏効しない場合には、幼児期に致死性の経過をたどる。肝移植はドナー不足の問題に加え、身体的、経済的負担も極めて大きい治療法であるため、新たな医薬品の開発が切望されている。
講演では、ドラッグ・リポジショニングを利用した本疾患の医薬品開発に向けた演者の取り組みを紹介したい。
- 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症 (Progressive Familial Intrahepatic Cholestasis; PFIC)
- 疾患概略
- 病態の進展に関する機序の解析
- ドラッグ・リポジショニングによる医薬品の探索
- in vitro試験による医薬品候補の同定
- 非臨床試験 (実験動物、ヒト臨床検体を用いた解析)
- PFIC症例を対象とした探索的臨床研究
- 医薬品開発に向けた取り組み
- 支援企業の確保
- 医師主導治験の実施体制の確立
- 治験実施計画書の作成
- 治験の開始
第3部. オーファンドラックの妥当な薬価獲得と採算性評価
(2017年4月27日 14:40〜16:40)
オーファンドラッグに関する薬価算定ルール及び薬価設定の実際について分かりやすく解説するとともに、採算性を確保するための価格戦略のポイントについて提言する。
- オーファンドラッグに関する薬価算定ルール
- 類似薬効比較方式と原価計算方式
- オーファンドラッグに対する加算評価
- 市場性加算、先駆け審査指定制度加算、原価計算方式での営業利益率の加算的評価など
- ポイント制による評価の仕組みと具体的な評価対象項目
- 原価計算方式で計上できる費用と控除される費用
- オーファンドラッグの薬価設定の実際
- 算定事例の紹介と解説
- 算定事例から見えてくる問題点と課題
- オーファンドラッグの価格戦略のポイント (終わりに)
- 薬価申請の留意点 (市場規模予測とその根拠など)
- 採算性確保のためには
- 質疑応答