第1部. 糖尿病性腎症の最新メカニズムと治療薬開発
(2017年4月7日 10:30〜12:00)
糖尿病性腎症の発生メカニズムはまだ詳細には解明されていない。今まで糸球体過剰濾過、高血糖やAGEsの関与、サイトカイン、ネフリンの発現変化などの報告が有り概説する。
- 糸球体過剰濾過
- メカニズム
(ホルモンの関与、ソルビトール、糖化産物、Na再吸収の亢進と尿細管糸球体フィードバックの関与など)
- 高血糖とAGEs
- 高血糖によるメサンギウム増殖
(メサンギウム基質の増加、メサンギウム細胞のアポトーシス)
- AGEsによるメサンギウム細胞障害
- サイトカインの活性化
- ネフリンの発現変化
- 高血糖の持続によるネフリン発現の減少
- ネフリン関連蛋白であるpodocinやCD2APの挙動について
- 治療薬開発について
第2部. 糖尿病性腎症の臨床試験デザイン設定のポイント
(2017年4月7日 12:45〜14:15)
これまで糖尿病性腎症に対する薬物介入として、早期腎症の発症抑制から、顕性腎症発症抑制、腎不全への進行抑制など、糖尿病性腎症の各ステージ毎に大規模臨床試験が行われてきた。その際の目標設定や」結果の解釈について概説する。
- 血圧管理の重要性・目標血圧設定 (対象、臨床試験概要、結果)
- ARBによる腎保護作用 (対象、臨床試験概要、結果)
- RENAAL試験
- ROADMAP試験
- IRMA2試験
- ORIENT試験
- IDNT試験
- ACE阻害薬による腎保護作用 (対象、臨床試験概要、結果)
- ACE阻害薬とARBにおける腎保護作用の際について
- ACE阻害薬とARBの併用による腎保護作用
- VA NEPHRON-D試験
- ONTARGET試験
- 他の薬剤用いた臨床研究
- Aliskiren
- Bardoxolone methyl
- Pentoxifylline
第3部. 糖尿病性腎症の臨床試験を見据えた動物モデルでの評価法と作製法
(2017年4月7日 14:30〜16:00)
各種糖尿病モデル動物が開発され、腎症の病態解析や薬効評価に使用されている。講演前半では、臨床試験のエンドポイントとして重視されるGFR、ESRDを念頭に置きながら、各モデルの腎症の特徴を比較概説する。
後半では、新規モデルSDT fattyラットを用いて、「GFR早期低下」をキーワードに腎症モデルとしての最適化を目指した経緯と結果について紹介する。
最後に、本モデルの薬効評価結果にも触れ、創薬研究応用への可能性を考えたい。
- 糖尿病モデル動物の腎機能異常と腎病変
- 新規肥満2型糖尿病モデルラットの作出
- 糖尿病性腎症モデルの最適化に向けて
- 片腎摘出 and/or 食塩負荷SDT fattyラットにおける腎症の特徴
- 今後の展望