第1部. 医薬品包装材料の欧州・米国・アジアでの規制動向
(2017年4月26日 10:30〜12:30)
医薬品規制に関しては国際調和会議 (ICH) による整合化が進行中であるが、包装に関連する調和事例は一件のみであり、日欧米薬局方間には多くの相違点が見られる。日本は2016年4月の薬局方改正により製剤包装通則が規定されたが、具体的規格は水性注射剤容器とゴム栓のみであり、欧米と比較して曖昧で課題が多いのが現状である。
米国は2016年5月の改正によりプラスチックの規定がより詳細となり、新たに容器から移行する成分の規定も制定された。欧州薬局方は2016年第9版が発行され、中国は急ピッチで法整備を推進中である。
医薬品は今後日本の有望産業として期待されているが、企業としては法規制の現状と産業界の対応を充分知った上で顧客への適切な品質保証が必要である。
本講では医薬品包装規制の最新動向を主体に、食品包装規用樹脂の制度化に関する国の審議状況、企業のリスク管理の進め方に関しても事例を交えて紹介する。
- 医薬品の包装材料の概要
- 製品例
- 包装材料の使用割合 (食品包装)
- 医薬品規制の国際調和会議 (ICH) の進捗状況
- 審議テーマとガイダンスの状況
- 世界の医薬品メーカーランキング
- 日本薬局方 (JP) の動向
- 全体構成と規制対象:本文と参考情報
- 第17改正の概要と製剤包装通則、用語の定義
- プラスチック・ゴム・ガラスの試験法と規格
- 米国薬局方 (USP) の動向
- 全体構成と規制対象:2016年5月の改正の概要
- プラスチック・ガラスの試験法と規格
- 欧州薬局方 (EP) の動向
- 全体構成と規制対象:EP9.0版
- プラスチック・ガラスの試験法と規格
- 日欧米薬局方の現状比較と重要相違点・留意点
- 中国等の動向
- トピックス:厚労省の食品包装用原料樹脂制度化と医薬品包装への影響
- まとめー企業としての対応 -
- 参考文献と情報入手先
第2部. 医療現場にて医薬品包装に求められる安全性と使いやすさ
(2017年4月26日 13:15〜15:15)
医薬品の包装材料や容器は、素材や印刷技術など時代と共に進歩したが、近年は、医療従事者や患者に使いやすく、より医療安全を考慮した製品が医療現場で求められている。
今回は、医療現場で求められる医薬品包装材料と容器について述べたい。
- 医薬品包装材料の予備知識
- 医薬品包装材料の歴史
- ニトログリセリン、インシュリンなどの容器・ルートへの吸着の問題
- 環境ホルモン (DEHP) とその対策
- 日本薬局方、旧薬事法とPMDAなどからの情報 (通知)
- 日本薬局方、旧薬事法における容器、包装、表示法とは
- 日本薬局方の参考情報から見えること
- PMDAからの医療安全を中心とした情報
- 安全性、医療過誤防止と包装材料の工夫
- 医療過誤を防ぐための工夫
- 高齢者への対応
- 小児への対応
- 医療現場と製薬企業とのコミュニケーション
- 遮光、防湿性と、視認性改善への取り組み
- 後発医薬品製薬会社の取り組み
- OTC薬から学ぶこと
- 使用後の廃棄を考慮した製剤
- 新たに出現した課題と望まれる対策
- 偽薬の流通と課題
- 調製済み製剤への人的異物混入と対策
- 今後導入の進む調剤製剤支援機器を考慮した製品
第3部. 事例から学ぶ新しい医薬品包装の開発とその使いやすさ
(2017年4月26日 15:30〜17:00)
- 社会問題を解決できる軟らか次世代錠剤包装 (ESOP)
- 2つの誤飲事故
- 誤飲事故1 : PTPシートの誤飲事故
- 誤飲事故2 : 子どもによる医薬品の誤飲事故
- 誤薬問題 (調剤過誤)
- 残薬問題 (500億円の無駄)
- 偽造医薬品問題 (C型肝炎治療薬の偽造品)
- 今後どういった包装材料が期待されるか
- 次世代包装材料開発のための試験について
- 視認性、表示性
- PTPとの機能比較
- 使用性評価
- 安全性評価