(2017年4月7日 10:30〜12:10)
2つの絶縁性物質あるいは絶縁物質と金属を接触・摩擦すると、それぞれの物質には等量で逆極性の帯電電荷が生ずるという接触・摩擦帯電現象は、少なくとも紀元前600年もの昔から知られていたとされている。そしてこの現象は、電子写真のトナーをはじめとして、電気集塵、静電粉体塗装、静電植毛、静電気災害防止、農業技術への応用など極めて重要な産業に利用されている。 しかしながら今日でもなお、絶縁性物質が関与する接触・摩擦帯電現象の学理に関しては未だ統一見解はない。 2つの物質片を近づけ、接触・摩擦させ、そして離すだけの単純なプロセスにもかかわらず、十分には理解されていないのは考慮すべき材料要件及びプロセス要件が極めて多く、さまざまな可能性が考えられるからである。 本講では、これまでの接触・摩擦帯電に関する理解を説明した上で、これまで“電荷のリークを引き起こすだけ”と考えられていた水分が帯電現象に大きく関与するとする新しい帯電モデルについて概説する。
(2017年4月7日 12:50〜14:35)
帯電現象は、科学で完璧に解析されていない分野の一つで、どうしても現場対応力が重要になってくる。 すなわち俗に言うところのKKDが要求される分野である。しかしそのような分野でも勘所を押さえれば科学的に対応可能で対策アイデアも科学的に確認できる。 本講座ではフィルムや樹脂の帯電防止技術開発に関する講師の経験と科学的に対策した事例を中心に講演し、帯電現象が関わる分野の問題解決ノウハウを提供する。
(2017年4月7日 14:50〜16:30)
高分子型帯電剤についての概要、更に高分子型帯電防止剤を設計する際に考慮すべき項目について簡単に説明させて頂き、三洋化成でのポリオレフィン樹脂用高分子型帯電防止剤の開発事例を紹介させて頂きます。 また、三洋化成の高分子型帯電防止剤の特徴、ポリオレフィン用フィルム・シートに使用した際の性能についてPRさせて頂き、実際の使用例についても紹介させて頂きます。