治験の品質を確保するためのクオリティマネジメント (QM) 活動として、品質的な問題や逸脱による影響と適切な対応を理解することによって、未来の運用に対する予防的アプローチと起こった問題に対する対処的なアプローチの両者の視点からその解決策を解説する。 ICH-E6の改訂に伴った国内のGCP省令 (JGCP) ガイダンスの改訂 (補遺) では、治験におけるクオリティマネジメント (QM) が大きく取り上げられ、今後、治験依頼者によるQM活動が治験を運用する上で重要な課題となる。そのために治験依頼者は治験のQMを理解し運用することによって、2018年施行が予想されるGCP省令 (JGCP) ガイダンスの改訂 (補遺) の対策を早急に実施しなければならない。 ここでは、前半で治験おけるQM概念の解説と問題点の分析を行い、後半で想定される具体的なリスクや問題事例に対する運用を解説することによって、Issue/逸脱とCAPAマネジメントの実践的な運用知識の習得をねらう。