本セミナーでは、スパッタ法を用いた薄膜作製で起こる問題とその解決法を、実例を通して分かりやすく解説いたします。
スパッタ法は均質で付着力が強い薄膜を大面積で再現性良く形成できる方法であること加えて、ターゲット材料に近い組成材料の薄膜作製を基板温度を上昇させることなく可能な方法であるという特徴を持つことから、様々な工業分野で広く薄膜の作製法として使われています。 しかし、スパッタ時に起こる諸現象を十分に考慮するとともに、各種スパッタ法の特徴や特性を発揮させたスパッタ成膜を行なわないと所望の特性や構造を持つ薄膜が形成できないという問題に直面することになります。 本講演ではスパッタ成膜法を用いて所望の組成や特性を持つ薄膜を得るために不可欠な、スパッタ成膜過程の基礎を解説するとともに、成膜中の基板温度上昇が起こらないスパッタ成膜法や、スパッタ中に生成される高エネルギー粒子の基板への入射を抑制した低ダメージスパッタ堆積法、高堆積速度を実現するためのスパッタ法の原理について詳細に説明する予定です。