本セミナーでは、自動車メーカ各社および国家プロジェクトでの研究開発が進められている「燃料改質技術」について基礎から解説し、要素技術、実用化に向けた課題と検討が必要な項目を研究開発の最前線で活躍する4名の講師が解説いたします。
(2017年3月28日 10:30〜11:40)
燃料改質により得られる改質燃料のおいしさを、化学反応を交えながら解説するとともに、排熱で燃料改質を行う場合の基本事項の確認を行う。
(2017年3月28日 12:20〜13:30)
本講演では、ガソリンエンジンにおいて、EGR配管経路中に改質触媒を持つオンボード燃料改質システムを考案し、原理確認を行なった研究について、改質ガス成分をガソリン混合気に混ぜた素反応計算や単気筒エンジン実験を行なうことにより、水素だけでなく水素以外の成分が燃焼性能に与える影響について考察いたします。 また、講演の後半では、上記の研究と同時に行なった改質触媒の耐劣化性向上に関する検討および、実際の改質器を備えた単気筒エンジン実験の結果を踏まえ、燃料改質ガソリンエンジンが成立する可能性を解説いたします。
(2017年3月28日 13:40〜14:50)
エンジンは、その燃焼熱の半分以上は排熱となり、動力に利用することが難しい。本テーマである燃料改質は燃料の吸熱反応による化学的排熱回収と、燃焼改善によるサイクル効率向上を同時に実現できる手法である。 本講座では、比較的低温にて改質可能である含水エタノールの燃料改質を利用したエンジンシステムを中心に、筆者らが行った研究結果を論じる。
(2017年3月28日 15:00〜16:10)
着火性の異なる2燃料によるHCCI燃焼は高い熱効率と低エミッション性能が得られる燃焼として注目されているものの、着火性と揮発性が高いHCCI燃焼に適した燃料の供給は課題の1つとなっています。 本講演ではその解決策の1つとして、エタノールから高着火性燃料ジエチルエーテルをオンボード改質によって得る技術について紹介します。また燃料の筒内成層化によりHCCI運転領域を更に拡大する燃焼技術に関しても解説いたします。