高分子を含む多成分系は、成分間が相溶・相容し難いことを重要な特徴とする。したがって、構成成分に結晶性や液晶性成分を含む場合、最終的な構造は成分間の相分離と結晶化・液晶化という複数の相転移の協奏により決まることに成る。
本セミナーでは、相分離、結晶化、液晶化の個別、基礎的な話から、その複合による構造決定メカニズムに至るまでをその実験・観察手法を交えながら概説する。
- 高分子多成分系とは
- 高分子ブレンド
- 共重合体
- 高分子混合系の熱力学
- 混合の熱力学
- 多成分系の相平衡と相図
- Flory – Huggins理論
- 多成分系の相平衡の実際例
- 高分子多成分系とガラス転移
- 高分子混合系の相分離
- スピノーダル分解の動力学と秩序形成
- 核生成・成長による相分離
- 粘弾性相分離とその利用
- 高分子の結晶化
- 高分子の単結晶と結晶構造
- 高分子結晶の集合構造
- 高分子の結晶化機構
- 高分子結晶の熱的性質 (融点)
- 液晶、液晶性高分子
- 低分子液晶の秩序構造
- 主鎖型・側鎖型高分子液晶
- ブロック共重合体
- ブロック共重合体の合成
- ミクロ相分離構造
- 高分子集合構造の構造解析
- 様々な散乱法
- 静的散乱と動的散乱
- 放射光を利用した小角X線散乱法
- 偏光顕微鏡 (異方性と複屈折)
- 結晶性成分を含む高分子多成分系
- 結晶性/非晶性ブレンド
- 結晶性/結晶性ブレンド
- 結晶性ブロック共重合体
- 結晶性ランダム共重合体
- 液晶性成分を含む高分子多成分系
- 液晶性/非晶性ブレンド
- 液晶性ブロック共重合体