医薬品のLCM戦略の在り方・再構築とLCM/ドラッグリポジショニング特許延長戦略の秘策・裏技

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第1部では、日本について最新判例を踏まえたLCMのあり方と戦略について、第2部では、海外メガファーマのLCM/DR戦略についての理解が深まります。メガファーマで何がなされているかを把握することは重要です。日本の製薬企業は、研究費ではメガファーマとは格段の差があります。しかし、知財戦略の分野ではメガファーマとの差は無く、むしろ智慧の勝負であると言えます。特に特許期間延長などについて、条文や審査基準には記載されていない、実践的な方法 (裏ワザ) や戦略をお話しいただけます。最近の判例や和解事例も紹介され、今薬業界で何が起きているのか、さらに一歩踏み込んでそれをLCM/DRにどう生かしていけるのか、が聴けるセミナーです。参加者にはLCM/DRに関して自社の事例に実践適用できるアイデアが生まれ、かつ、新しい医薬品につながる戦略を「自ら発想し、提案できる力」を養っていただけるセミナーです。

第1部 特許庁での特許審査・審判経験をふまえた 知財高裁・大合議判決を踏まえたLCM戦略の在り方と再構築のポイント

~2017年1月20日、知財高裁・大合議判決:延長された特許権の効力判断~

(2017年3月30日 10:30~13:00)

 医薬品のライフサイクルマネジメント (LCM) は、企業の経営戦略として重要な役割を担っており、とくに、特許権の存続期間の延長は、医薬品の収益力を大きく左右する重要な観点です。しかしながら、延長された特許権の効力については、これまで具体的な判決が示されておらず、先発医薬品メーカーと後発メーカーとの間で、大きな懸案事項になっていました。  このような状況の下、2017年1月20日、知財高裁・大合議判決「オキサリプラチン事件」により、延長された特許権の効力について、初めて判断が示されました。  本講演では、知財高裁・大合議判決を中心にご紹介し、本判決を踏まえたLCM戦略の在り方について解説します。  とくに、改訂審査基準 (2016年4月) と知財高裁・大合議判決を併せた最適なLCM戦略を検討します。講演者は、特許庁で20年間、この分野の特許審査・審判を担当しておりますので、経験に基づく分かりやすい講演が行われる予定です。  知財高裁・大合議判決「オキサリプラチン事件」について認識を深め、本判決を踏まえてLCM戦略を再構築するための情報をご提供することがねらいです。とくに、改訂審査基準 (2016年4月) と知財高裁・大合議判決を併せた最適なLCM戦略を構築することが重要です。

  1. 特許権の存続期間延長の現状
    1. 改訂審査基準 (2016年4月) について
    2. 改訂審査基準の施行から現在に至るまでの傾向
    3. 先行処分と本件処分の包含関係について
    4. 実質的同一性に直接関わることとなる審査事項について
  2. 知財高裁・大合議判決「オキサリプラチン事件」
    1. 事件の概要
    2. 先発薬と後発薬について
    3. 一審 (東京地裁) の判断
    4. 知財高裁・大合議の判断
      1. 基本的な考え方 (延長された特許権の効力)
      2. 実質同一とは
      3. 実質同一の4つの類型
      4. 先発医薬品への依拠性
      5. 特段の事情について
      6. 「ボールスプライン事件最判」 (最高裁1998年2月24日) との関係
      7. 特許法68条の2の趣旨
    5. 知財高裁・大合議判決の影響
      1. 先発医薬品メーカーの課題
      2. 後発医薬品メーカーの課題
  3. 知財高裁・大合議判決を踏まえたLCM戦略の在り方
    1. 実質同一を考慮したLCM戦略へのシフト
    2. 実質同一の4つの類型への対応
      1. 医薬品の有効成分のみを特徴とする特許発明
      2. 公知の有効成分に係る医薬品の安定性ないし剤型等に関する特許発明
      3. 政令処分で特定された「分量」ないし「用法、用量」に関し、数量的に意味のない程度の差異しかない場合
      4. 政令処分で特定された「分量」は異なるけれども、「用法、用量」も併せてみれば、同一であると認められる場合
    3. 改訂審査基準 (2016年4月) と知財高裁・大合議判決を併せた知財戦略
      1. 実質同一を視野に入れた延長登録出願
      2. 複数の延長登録出願による実質同一の拡充
    4. 特許出願戦略によるLCMの重要性の高まり
      1. 新規な有効成分または医薬用途に関する特許出願戦略
      2. 医薬品の改良発明 (DDS製剤など) に関する特許出願戦略
  4. 今後の課題
    1. LCM戦略の再構築
    2. 研究開発戦略の再構築
    3. 知的財産戦略の再構築
    4. 特許実務と製造承認の申請実務との連携の必要性

第2部 『目からウロコ! 海外でのLCM/ドラッグリポジショニング特許期間延長戦略の秘策・裏技』

~LCM/DRに関して自社の事例に実践適用できるアイデア事例~

(2017年3月30日 13:45~16:30)

 ドラッグリポジショニング (DR) に関しては、各社で専門の部門の立ち上げ、研究テーマとして取り組みは既に始動しています。また、医薬品のライフサイクルマネジメント (LCM) 、ライフサイクル延長戦略は、企業戦略として大きな位置づけを占めているといってよいでしょう。  DRの成功のためには、潜在的な競争に勝つことが必要です。したがって、たとえばDR/LCMに適用する薬剤とその適応症を選択するには、知的財産の存続期間や再審査期間を考慮した慎重かつ戦略的な検討が必要です。これは、知的財産戦略のみで可能なわけではなく、綿密な研究開発戦略、事業開発戦略と相まって達成されるものです。加えてオープンイノベーションによる社外リソースの活用も忘れてはなりません。

  1. 研究開発周辺環境の変化と生き残り
    1. 創薬、開発研究のカルチャーの変化と第二次業界再編の津波
    2. 後発医薬品80%時代の到来
      • 開発中止理由の変化、薬事行政 (薬価の制度、後発医薬品の承認方針) の変化ほか。
  2. 各国のLCM (ライフサイクルマネジメント) 、DR (ドラッグリポジショニング) の取り組みと動向
    • 日米欧の行政・当局、各種団体のLCM/DR取り組みと動向
  3. LCM/DRに関する基礎知識
    • 必要な基礎項目を解説
  4. 各社LCM/DRの戦略事例検討
    • 海外・日本各社のLCM/DRの取り組みと動向
    • 事例紹介とその戦略の分析研究
  5. LCM/DRと薬価戦略
    • 薬価制度の解説
    • 高薬価 (満足できる適正な薬価) の獲得に向けて
  6. 発想と気づき
    • 各個人の智慧
    • 協力体制から生み出される智慧
    • オープンイノベーションの活用 ほか

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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