劣モジュラ関数は、連続関数における凸性に対応する構造を持つ集合関数である。劣モジュラ関数の概念自体は、離散数学分野で1980年代頃から知られていたが、近年では、機械学習をはじめとした様々な知能情報処理分野で扱われる問題において重要な役割を担うことが知られるようになり注目を集めている。 本講義では、劣モジュラ関数を用いた機械学習について概観し、具体的問題へ適用するための一連の方法について述べる。劣モジュラ関数は集合関数であるため、組合せ的計算を扱うために用いられる。従ってまず、機械学習における組合せ最適化の重要性について、その具体例とともに説明する。そして、特に機械学習における劣モジュラ関数を用いた計算で重要となる問題として、劣モジュラ関数の最大化問題として定式化されるものについて説明する。この定式化に関連する問題としては、例えば、特徴選択やセンサ配置問題などが含まれる。次にもう一つの主要な適用として、データ変数間の構造的先見情報を用いた学習へのアプローチである、構造的正則化学習における劣モジュラ関数の利用について説明する。そして時間の許す限り、その他の最近の機械学習分野における関連する話題についてふれる。また最後に、いくつかの実問題への適用事例について概観する。
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