最近注目されるようになったセルロースナノファイバーについて、その特性や期待される用途事例など基本となる情報を解説する。
また、演者が所属する産業技術総合研究所で利用を検討して来たリグノセルロースナノファイバー (植物バイオマス原料から直接的に製造するセルロースナノファイバー) について、製造方法や評価方法、ゴムや樹脂との複合化技術などの実際の研究事例を解説する。
- 天然高分子セルロース
- セルロースとは (科学的観点から)
- セルロースとは (木材や綿の主要成分)
- セルロースとは (植物以外に生産するもの)
- セルロースの生合成機構
- ナノセルロースとは
- 従来のセルロース利用 (天然繊維として)
- 従来のセルロース利用 (合成繊維として)
- 従来のセルロース利用 (食品・医薬品・化粧品として)
- 従来のセルロース利用 (プラスチックとして)
- 従来のセルロース利用 (その他の用途)
- 従来のセルロース利用 (工業用素材としてのポテンシャル)
- セルロースナノファイバー (CNF) のポテンシャル
- セルロース分子に見られる分子内・分子間水素結合
- 親水性と疎水性、2つの性質を持つセルロース分子
- ナノファイバー構造がもたらす特性
- 国内のCNF研究開発拠点
- CNFの特性を活かした用途展開の可能性
- 補強繊維への展開
- 分散剤・増粘剤への展開
- ガスバリア剤への展開
- 電子デバイスへの展開
- セルロースナノファイバー (CNF) の製造技術
- CNFの製造コンセプト
- 種々のCNFと製造方法
- 植物を構成する主な成分
- 機械的処理によるCNFの製造
- ウォータージェット解繊によるナノファイバー化
- 高圧ホモジナイザーによるナノファイバー化
- セルロースナノファイバー (CNF) とリグノセルロースナノファイバー (LCNF)
- バイオマス原料の直接的ナノファイバー化
- 実用化技術展開への検討
- 樹種によるナノファイバーの製造効率
- ナノファイバー製造効率に影響する因子
- 木材の耐久性とナノファイバー製造効率
- 化学的処理によるCNFの製造
- 化学処理によって得られるCNFの特徴
- 酸化処理によるナノファイバー化
- カルボキシ基導入によるナノファイバー化
- セルロースナノファイバー (CNF) の評価技術
- CNFの分析・評価方法の現状
- 産総研で用いているナノファイバー化度合の評価装置・方法
- ナノファイバー化度合の評価方法
- ファイバー形態の評価方法
- ファイバーサイズの評価方法
- 簡易的なナノファイバー化度合の評価方法 (粒度分布測定)
- 各種湿式測定法とナノファイバー化度合との相関
- セルロースナノファイバー (CNF) 複合材料の作製技術
- CNF/樹脂複合化の背景技術
- 木材プラスチック複合材料 (WPC) の利用例
- WPC技術のCNF/樹脂複合材料への展開
- CNFと他のフィラーの比較 (樹脂補強効果)
- CNFと他のフィラーの比較 (成形加工性)
- (L) CNF利用時における課題強
- 水系均一モデル系における複合化 (CNFによるポリビニルアルコールの補強)
- 水系均一モデル系における複合化 (CNFによる水系ウレタン樹脂の補強)
- 汎用樹脂ポリプロピレン (PP) との複合化
- 凝集抑制処理を施した乾燥LCNFとPPとの複合化
- 相容化剤による界面の改善
- ナノファイバー表面コート処理による複合化
- マスターバッチ法を用いた複合化
- 固相せん断処理による複合化
- ゴムの補強について
- CNFと天然ゴムとの相性
- CNFによる天然ゴムの補強
- CNFと従来のゴム補強材との性能比較
- 発泡ゴムに対して発揮されるCNFの効果
- 産総研のセルロースナノファイバー研究の紹介
- 産総研が着目して来たLCNF
- CNFおよびLCNFの形態観察
- LCNF表面特性評価技術の構築
- LCNFセンサを用いたLCNF表面特性評価方法
- 成分組成とQCM解析結果の相関
- QCMによるヘミセルロースの積層状態の解析
- もみ殻由来LCNF
- みかん搾汁残渣由来LCNFの特徴
- (L) CNF複合材料を用いて作製した試作品
- ナノファイバー複合材料試作品
- まとめ