試験室の逸脱・OOS/OOTの判断/管理はますます重要性が高まっています。逸脱・OOS/OOTは査察時にGMPが適切に運用されているかの観点から必ず確認される重要な項目です。
今回、逸脱・OOS/OOTについて、考え方、仕組みを紹介し、実際にOOS/OOTが起きた時の、初動調査、製造工程調査、再試験、再サンプリングの方法並びに問題点を紹介します。
OOS/OOTが十分機能しなかったために製品回収に至った事例、OOS/OOTへの早期対応事例などを紹介し、品質管理のどこに問題があったかを知り、リスク防止策を紹介します。また当局の査察時の指摘事項から、どこに注意を払うべきかについても学びます。
第1部 試験検査室におけるOOS/OOT判断・調査・対応のポイント
- OOS/OOTについて
- OOS/OOTの考え方
- OOS/OOTの仕組み
- OOTの導入について (工程能力指数CpとCpkの活用)
- ラボエラー調査
- ラボエラーチエックシート活用
- 試験器具、溶液の試験終了時まで保管
- 明確なラボエラーが断定できない時
- 安定性試験で含量が低下事例を考える
- ラボエラー有無
- 過去の安定栄試験のデータ参照
- 標準品と検体の面積値検証
- データ処理の確認
- 安定性モニタリングで溶出試験がOOS/OOTの対応事例
- 強熱残分試験のOOSの対応事例
- 製造工程の調査
- 該当ロットの逸脱確認
- 最近のロットの試験結果の確認
- 最近のインプロデータの確認
- 再試験実施の問題点
- 再試験のための調査
- 試験者数と試験数
- 再試験の判定
- 再サンプリング時の問題点
- サンプリング時の問題有無
- 再サンプリングのための調査
- 再サンプリングの根拠
- OOSを考慮して最初にどの程度サンプリングするのか
- OOSが棄却できなかった時の対応
- 原因究明
- 是正対応 (CAPA)
- 外部試験委託先のOOS/OOTの管理
- 取決め事項作成
- 試験委託先とOOS/OOT報告・判断
- OOSで頭を悩ました事例
- 事例1 A顆粒
- 事例2 Bカプセルの溶出試験
- 事例3 品質再評価
- 事例4 Cバルク (原薬)
- 査察時のOOS/OOTの確認
- プラントツアーでの査察時の質問
- OOS/OOTのSOPと実際の確認
- OOS/OOTの事例の確認
- ラボエラーによる製品回収/欠品対応事例
- 凍結乾燥製剤の製品回収 (2005年) の事例
- 標準品変更に伴う欠品リスクによる当局対応
- 安定性モニタリングの実施 (25℃×60%) のOOS対応
- 25℃×60%と承認当時保管条件空欄 (成り行き室温) 結果の相違時
- 25℃×60%への対応
- 製品回収の多い溶出試験の正しい理解 (溶出試験での製品回収を防ぐ)
- 試験方法の変更
- 製造販売承認書の視点
- GMP上の視点
- 特異性と安定性試験時の視点
第2部 試験検査室における逸脱 (品質異常) 対応のポイント
- 原料/資材の受け入れ試験時の逸脱対応
- 資材メーカーへの対応時の注意事項 (下請法)
- メーカーの保証と自社の保証の関係
第3部 試験室等に関するGMP査察事例
- PMDA GMP適合性調査 実地調査時の指摘事項
- 日本医薬品原薬工業会主催講習会
- 日本医薬品原薬工業会会員会社12社における海外行政の査察について
- 東京都健康安全研究センター
- 大阪府におけるGMP指摘事項
- FDAのシステム査察のポイント
- Warning Letter に見るFDAに指摘事項
- 洗浄バリデーション不備による製品回収
- GMP適合性調査で製品回収に至ったケース
- GMP管理が適切でなく苦情から製品回収に至ったケース