HAZOPは、1960年代頃に海外の化学会社で開発された化学プラントの安全評価の手法です。日本では、1980年代頃から化学企業で活用が始まり現在に至っています。 化学プラントでは、トラブルが発生するとプロセス面で何か変化が現れます。流量、液面、温度や圧力などの化学プロセスの運転状態に変化が現れてきます。 たとえば、配管が、詰まって流れなくなれば流量が「低下 (減る) 」という現象が起こります。装置や配管に穴が開けば、圧力は「低下」するというような現象が起こります。反応器や熱交換器装置がうまく冷やせなければ、温度が「上昇 (増える) 」します。 つまり、「減る」だとか「増える」など、いわゆる正常な状態からの「ずれ」をキーワードにして、トラブルの発生を見つけ出し安全性を評価して行くのがHAZOPの基本的な手法です。 原理は非常にシンプルですが、トラブルが起こったときに発生する「ズレ」を想定するには、やはり過去に起こっている事故事例やHAZOPでの失敗事例などを体系的に知っておく必要があります。 一般的なHAZOP講習などでは、HAZOPの手法を中心に教えるものが多いのですが、HAZOPの手法を知っていても化学プロセスに潜在する「危険源」を見つけ出すことはできません。 今回の講座では、HAZOPを実施する上で是非知っておいて欲しい事故事例やHAZOPの盲点となるような事故事例を数多く取り込んでいるのが特徴です。化学プラントに潜在する危険源を、実際に起こった事故事例を使って説明します。 HAZOPはやったことはあるが、化学プラントに潜在している「危険源」を見つけ出すためのより実践的な知識を身につけたいという方に進めたい講座です。