(2017年3月27日 10:30〜12:00)
敗血症の診断にはCRP、TNF – α、 IL – 6などのマーカーが一般に有用とされ、患者の血液検査などと合わせて利用されている。しかし、感染徴候がなく侵襲の強い外傷によるSIRSの患者でもCRP、 TNF、IL – 6などが上昇するため、感染症によるSIRSの患者 (敗血症) との差が認められず診断は困難といわれている。 本講座では、このような敗血症診断や検査の現状および将来有用と思われるバイマーカーや、当教室の関連研究内容について言及したい。
(2017年3月27日 12:50〜13:50)
感染症は世界の小児の死因の第一位を占め (肺炎、胃腸炎) 、多くの患者が重症化する過程で敗血症の病態を併発すると考えられている。 成人と同じく小児領域でも敗血症診療の根幹は早期認識と早期介入であるが、診断・治療のいずれにおいても技術面でのさまざまな壁が律速段階となって立ちはだかる 。有効性を適切に評価された診療支援技術の進歩は必ずや予後の改善をもたらすだろう。
(2017年3月27日 14:10〜16:10)
感染によって惹起された全身性炎症反応症候群と定義されてきた敗血症は,昨年の始めに,「感染に対する制御不能な宿主反応による生命に関わる臓器不全」であると再定義された。 本講演では,臨床的に有用とされる動物モデルを用いて,敗血症性臓器不全の病態形成に関わる分子基盤の解明に新たな展開を与えるとともに,その分子病態に基づく新機軸の治療方策を創出しようとするものである。