Excelでは対応が難しい大量かつ複雑なデータの処理を行う実際の業務においては、統計解析フリーソフトRが利用・活用されています。それを踏まえ、弊社では、Rやその様々なパッケージを活用したデータサイエンス・ワークショップをシリーズで開催することにしました。本ワークショップでは、Rパッケージ”KFAS”を活用します。 本ワークショップでは、「Rで『カルマンフィルタ』:状態空間モデルによる時系列予測」の著者の野村俊一氏に、時系列データを分析して将来を予測するための方法として「カルマンフィルタ」および「状態空間モデル」を解説します。状態空間モデルとは、有名なARIMAモデル等を含む時系列モデルの広大なフレームワークであり、カルマンフィルタとは、状態空間モデルの効率的な推定アルゴリズムであります。講義では、方法論の解説に止まらず、データの観察からモデルを組み立てて試行錯誤する一連の分析プロセスを示し、実践演習を通じて習得していただきます。金融、保険、市場予測を題材としたケーススタディを、統計解析ソフトRを用いて実際に解析していただき、現場ですぐに実行できる実践力を身につけていただきます。 時系列モデルはARIMAモデルが有名で広く使われていますが、増減要因の説明ができない、正規分布以外は扱えないなど、いくつかの問題点もあります。状態空間モデルでは、自然に増減要因分解ができて説明力がある、拡張性が高く非正規分布や非線形なモデルも扱えるなどの多くのメリットを持ち、実務家の発想を柔軟に取り込むことができる優れたモデルです。近年Rのパッケージ”KFAS”を用いて手軽に解析できるようになった状態空間モデルをこの機会にぜひ習得いただき、実務や研究にご活用ください。