昨今のビジネスにおいては分布を知りデータ分析することが不可欠です。本チュートリアルでは、Rを使った具体的な計算やグラフ (視覚化) を多用して、まずは、分布とは何かについて直感的な理解を得ることを目指します。その際に1つの鍵となるのはシミュレーションによって分布を捉える方法です。後半では、シミュレーションを使って確率問題を解く方法や、リスク管理への応用の例としてVaRやCVaRの意味や計算方法を学びます。 講義のテキストとして『分布からはじめる確率・統計入門』 (当日配布) を使用します。ただし、同書全体を扱うわけではなく、特に本のタイトルに「統計」とあるものの推測統計に関する部分は扱わない一方、講義で触れるVaRやCVaRに関する内容は、同書では扱われていない内容です。 実用のための確率統計に興味がある方すべてにおすすめです。Rに関する事前の知識は必要ありません。確率統計についても、関心さえあればそれ以上の知識は特に必要ありません。その一方、数学全般については、特に高度な理論的解説などは行わないものの、具体的な分布の話もする都合上、高校までの数学で頻繁に登場する数学記号に関する知識は十分にあるものと想定します。
視覚的な理解や直感的な理解を重視して、受講後の実用に有益となるよう、実践的・体感的に学んでもらいます。 リスク管理やデータ分析の際に大切と考えられる確率分布に対する直感的理解を得てもらうことを目指します。 VaRやCVaRなど、リスク管理における応用上の話題も扱います。 大変わかりやすく解説しているとして著名な『リスク・セオリーの基礎』 (培風館) の著者の岩沢宏和氏から、リスク管理に携わる場合に大切なことがらを解説してもらいます。岩沢氏は、日本アクチュアリー会講師や弊社アクチュアリー講座講師をつとめるなど、損保数理ならびに確率統計の講演、執筆などで著名で、東京大学などでも講義されています。