第1部 自動車車室内における騒音低減、音作りの実際
(2017年3月17日 10:00〜12:00)
- 自動車車室内における音の設計
~モータ、エンジン、タイヤで発生する音とその性質~
- 自動車の振動・騒音分析手法
- 周波数と手法の選択
- 伝達経路解析法
- パネル寄与分析法
- エネルギーに基づいた手法
- 振動・騒音低減の実際
- 構造系対策事例
- 音響系対策事例
- 制振、遮音、吸音の考え方と使い分け
- 制振・防音効果の予測
- 今後の動向
- CAEによる材料メーカ、部品メーカ、自動車メーカーにおける解析技術
- EV・HEVで増える音と消すべき音、残しても良い音への対応
第2部 人間の感性を考慮した音響デザイン のための心理音響評価
(2017年3月17日 12:40〜14:10)
音楽を聴くことや人との会話など、日常生活に音の存在は不可欠である。一方、日常生活の中で利用している自動車、掃除機、エアコンなどの機械からも音が発生している。これらの機械の音は、本来の機能の副産物として発生したものであり、騒音として受け止められることが多い。しかし、アクティブノイズコントロール等でこのような騒音を完全に消すことは不可能であり、また完全な無音状態が人間にとって快適であるともいえない。そのため、騒音レベルを下げるとともに、音質を不快でない音に変えようと改善する試み、すなわち音響デザインが行われるようになってきた。そこで音質をいかに評価するかは大きな課題となる。
本講演は、音質評価技術を重点において解説する。あらに聴者に多数種類の音を聞かせて脳波を計測し、官能評価と合わせて音質評価パラメータとの相関関係を検討した結果を解説する。
- 背景
- 聴覚の基本特性
- 聴覚の構造
- 聴覚の特性
- 心理音響評価パラメータとその計算
- 心理音響評価の歴史
- 心理音響評価パラメータ
- ラウドネス
- シャプネス
- 変動強度
- ラフネス
- 心理評価実験
- 官能評価
- 脳波による評価
- 結果と考察
- 心理音響評価量の応用例
- まとめと今後の課題
第3部 自動車の「音」づくり
~事例紹介とその実際~
(2017年3月17日 14:20〜15:20)
自動車のドア閉まり音の”評価手法”と”発生メカニズム”について、これまでの研究事例を交えながら解説します。
- 自動車のドア閉まり音調査
- 閉まり音官能評価実験
- 音質評価尺度の検討
- 音色の評価
- 時間領域的閉まり音メカニズム
- 振動解析
- 音響解析
- 軽量化へ対応できるドア閉まり音構造
- 構造変更による低周波コントロール
- まとめ
第4部 電気自動車におけるサウンドデザイン
~疑似エンジン音、義務化が見込まれる車接近音など~
(2017年3月17日 15:30〜17:00)
ハイブリット・電気自動車に安全性面から疑似エンジン音を付加することが義務付けられている。しかしながら、車外に音を出すことは道行く人にその車両のブランドイメージを植え付けることになる。
そこで、車両にふさわしい音、コンセプトに沿うような音を行う信号処理方法を踏まえた上で、サンプル音を交えながら講義する。
- はじめに
- サウンドデザインについて
(付加価値向上かコンセプトサウンドデザインか)
- ハイブリット・電気自動車の音、安全性、要求
- サウンドによる製品マーケティング
- 音の心理効果
- 音が与える心理効果、印象
- 被験者差異、トレーニング効果
- 視覚効果
- サウンドデザインとタイプ化
- 音の3タイプ、音質の3要素
- タイプ1の音
- タイプ2の音
- タイプ3の音
- 疑似エンジン音の信号処理手法とサウンドデザイン事例
- サイン波合成
(アクティブサウンドデザインシステム)
- サイン波合成
(全ての音をフェラーリにするには?)
- 時間周波数圧縮法
- 間欠時間調整法
(遊び心のある音PUYOのサウンドデザイン)
- イベント駆動
(信号音でも走行を訴え印象を変えるキラ☆キラ★サウンド)