第1部:樹脂における光学特性の基礎と屈折率制御
(2017年3月24日 10:30〜12:10)
PMMA、PCや環状ポリオレフィン樹脂 (COP、COC) などの透明樹脂はプラスチックレンズ、液晶ディスプレイ、光ディスク、光ファイバーなど包装、光学、光通信分野で広く使われている。また、光学機器のデジタル化の急速な進展により、高屈折率、高アッベ数、低複屈折などより高い特性をもった高機能な光学材料が求められている。
本講座では、高機能透明材料開発のための透明樹脂の概要、分子設計や反射、吸収、散乱、屈折、複屈折、光学散乱などの光学特性の基礎および透明性、高屈折率化や低複屈折化など高機能化のための特性制御技術について実務に適した内容で分かりやすく解説する。
- 透明樹脂の概要
- 透明樹脂の分子設計
- 透明樹脂の概要 (合成法と特性)
- アクリル樹脂 (PMMA)
- ポリカードネート (PC)
- 環状ポリオレフィン樹脂 (COP、COC)
- 耐熱・光学特性の制御
- 耐熱性とは?
- 耐熱樹脂の分子設計
- 光の透過性
(光の3要素 (反射、吸収、散乱) )
- 光散乱損失と光吸収損失
- 透明樹脂の分子設計
- 樹脂の透明性改良方法
- 高透明化
- 複合材料の透明性
- 分散特性 (アッベ数とヘイズ値)
- 屈折率の制御
- 分子構造による屈折率の制御
- 屈折率と分子構造・環境因子
- 高屈折率化
- 屈折率の温度依存性、
- 無機フィラー複合化による屈折率の制御
- 微粒子の種類と屈折率
- 複合材料の屈折率
- 複屈折の制御
- 複屈折とは?
- 固有複屈折率と分子構造
- 複屈折率と分極率の関係
- 配向複屈折と応力複屈折
- 成形加工 (加工法・成形条件) の影響
- 低複屈折率化 (ゼロ複屈折)
- ランダム共重合法
- 異方性低分子ドープ法
- 複屈折性結晶ドープ法
第2部:光学樹脂の高耐熱性・低吸水性・透明性向上
(2017年3月24日 13:00〜14:40)
光と電子・電気が融合した”オプトエレクトロニクス”技術は情報産業を支える重要な技術である。その中で光学特性に優れた高機能透明樹脂が光学部品として多く利用され、近年、研究・開発の要求がますます高まっている。
本講演では、高機能透明樹脂の研究・開発で、とくにガラス代替に向けた高耐熱性、低吸水性および透明性の向上について焦点を当て、代表的な高分子合成およびその周辺技術を紹介する。
- はじめに 高機能透明樹脂について
- 高機能透明樹脂の種類
- 製品化されている高機能透明樹脂
- 高機能透明樹脂の応用例 (身近な製品を例にあげて)
- 高機能透明樹脂の特徴
- 高機能透明樹脂の設計
- 高機能透明樹脂の合成
- 国内企業の技術を例にあげて
- 国内研究機関の技術を例にあげて
- 高機能透明樹脂の課題と解決技術
- まとめと展望
第3部:有機無機ハイブリッド技術による光学材料特性と高屈折材料への応用展開
(2017年3月24日 14:50〜16:30)
有機無機ハイブリッド技術を適用した光学材料、特に高屈折材料応用について述べる。最初に有機無機ハイブリッド技術、材料の概要を説明し、光学材料応用について議論する。
ナノ分散系における光学材料設計の考え方とその重要性、必要なナノ粒子形成について述べた後、ハイブリッド化による屈折率制御について述べる。
- 有機無機ハイブリッド材料
- 有機 – 無機ハイブリッド材料とは
- 有機 – 無機ハイブリッド材料の研究ステージ
- ゾル – ゲルベースの溶液反応の適用
- 熱硬化・光硬化反応の適用
- 熱可塑性有機 – 無機ハイブリッド材料
- ゾル – ゲル・ハイブリッド技術による光学材料
- 有機 – 無機ハイブリッド材料の光学材料応用の考え方
- 透明性維持のための必要条件
- ハイブリッド形成プロセスと出口設計
- ナノ粒子 (クラスター) 合成の考え方
- ゾル – ゲル法をベースとした粒子形成
- ビルドアッププロセスによる表面修飾ナノ粒子形成
- 屈折率制御
- 低屈折率材料
- 高屈折率材料
- Nb2O5ハイブリッドの作製とその特徴
- TiO2ハイブリッドの作製と光学特性
- ZrO2ハイブリッドの作製と光学特性