本セミナーでは、疲労の基礎から解説し、疲労測定、定量化のポイントについて詳解いたします。
また、抗疲労・癒し関連ビジネスの市場展望と関連製品の開発動向について解説いたします。
「もの」と「情報」があふれる社会から、「幸福」・「快適」社会への転換が模索され始めています。現代社会のさまざまな現象や疲労原因を脳科学の立場で考えてみると、また新しい視点が生まれ、新しい社会の価値基準が創造できるかもしれません。 抗疲労・癒しビジネスが今後どのように展開していくか、脳科学の立場で考察し、さらに、最近見出された全身代謝の変化などを交え、統合的な視点で解説したいと思います。
これまで、居住空間、たとえば空調の分野ではPMVなどが「快適性の指標」として使われてきたが、これはあくまで環境を与える側の目安であり、個々に異なる受け手側の生体評価ではない。照明においても、アロマにおいても、入浴においても受け手側がどう反応しているかを生理学的に評価しなければ理想の快適空間は見いだせない。 この数年の疲労医学の進歩により、快適性や疲労を血液・唾液中のバイオマーカーや自律神経機能評価により客観的に評価できるようになった。それにより、快適性と作業効率は必ずしも一致しないことが明らかとなった。さらに、オフィスなどでは温度・湿度・照度・臭いなどを一定にすると、一時的には快適であっても、むしろ作業効率の低下と疲労の蓄積がみられることもわかっている。また、個体内においても、寝室と仕事部屋など目的において理想の自律神経のバランスが異なることから、理想の快適環境も異なってくる。 今後の快適性・抗疲労の開発は、空調機単体や照明器具単体で行うべきものではなく、1日24時間の自然の変化がそうであるように、照度・温度・湿度・音・臭いなどの変化をサーカディアンリズムの中で総合的に環境を構築する必要がある。そのためにも、受け手側である人間の生体情報から有用性評価を行い、抗疲労・快適性を高める商品の開発をする必要がある。 本セミナーでは、疲労医学、特に疲労の定量化法について紹介すると同時に、理想の居住空間および住宅設備機器の環境システム構築のヒントを解説する。