細菌内毒素 (エンドトキシン) は極微量で発熱活性、致死活性など生体に有毒な作用を有し、医薬品、医療機器、再生医療等製品への混入には細心の注意を払う必要があります。
本セミナーでは、エンドトキシンの分子構造と生物活性、エンドトキシン測定の基礎と応用、局方エンドトキシン試験法 (LAL) の実際と留意点、製造・品質管理のポイントとPitfall (Low Endotoxin Recovery) について海外の動向も交えて分かりやすく解説します。
さらには医療 (Et血症・敗血症の診断と治療、透析液の品質確保、PET検査薬等々) および農業、ナノテクノロジー、環境衛生など種々産業分野への応用ならびに次世代 LAL、微生物迅速試験法も含めた現状と将来展望について述べたいと思います。
- エンドトキシンの分子構造と生物活性
- エンドトキシンの化学構造
- エンドトキシン分子の解離会合
- エンドトキシシンの活性本体
- エンドトキシン受容体と活性の発現機構
- エンドトキシンの人体への影響
- エンドトキシンの除去および不活化
- エンドトキシンの分子特性と熱安定性
- 高圧蒸気滅菌
- 吸着による除去
- 膜ろ過による除去
- 化学的処理による不活化
- 放射線および電子線による不活化
- 製薬用水の微生物管理と最新の動向
- エンドトキシンの測定
- パイロジェンの生物学的検出法
- リムルス凝固因子の活性化機構
- カブトガニ血球抽出液 (LAL) の特性
- エンドトキシン標準品と溶液安定性
- リムルステストの感度および特異性
- リムルステストの種類 (ゲル化・比色法) と基本性能
- エンドトキシンおよび (1→3) – β – D – グルカンの鑑別測定
- 各分野への応用
- リムルステスト代替法
- rFCアッセイ
- MAT
- EAA
- HEK細胞アッセイ
- 次世代リムルステスト (遺伝子組換え)
- エンドトキシン試験法
- 試験法の国際的な位置づけ (米国FDAの動向)
- バリデーションの目的と国際調和
- 試験室で想定される測定誤差の要因
- 試験環境および使用器具類の整備と管理
- 測定法およびLAL試薬の適切な選択
- 試験に及ぼす影響因子と対処法 (測定事例紹介)
- エンドトキシン規格値
- 最大有効希釈度
- FDA査察における指摘事項と対応 (GMP/QMS)
- 試験の実施手順と評価法
- ゲル化 (予備試験・限度試験・定量試験法)
- 光学的定量法 (予備試験・定量)
- 生物学的製剤への適用
- データ解釈上の留意点
- Low Endotoxin Recovery (LER)
- 臨床におけるエンドトキシン測定の意義【1】
- 透析療法の現況と課題
- 透析液エンドトキシンの管理基準および測定法
- 透析液の清浄化と臨床的意義
- 透析液清浄化ガイドラインの目的と内容
- 人工透析管理システムの進歩と将来の展望
- 臨床におけるエンドトキシン測定の意義【2】
- エンドトキシンによる多様な病態
- 敗血症・エンドトキシン血症の補助診断 (血中エンドトキシン測定)
- エンドトキシンショックと血液浄化療法
- 敗血症の動物モデル
- 敗血症治療薬開発の経緯と今後の動向
- 質疑応答・総合討論