高級感・上質感の定量化技術

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プログラム

第1部. 質感知覚の基礎となる脳機能と その計測技術

(2017年2月27日 10:00〜11:30)

 近年、人間の脳を非侵襲に計測する技術の発展に伴って、未知の脳機能に迫ることが可能になってきた。  本講座の前半においては、脳の基礎知識を説明した上で、高級感、上質感の基礎となる視覚 (末梢・中枢) やその他の感覚、マルチモーダルに関する脳機能について解説する。  後半においては、それらの計測を可能とする最先端の脳計測技術 (電磁気計測手法・代謝計測手法) を解説し、比較する。  最後に高級感・上質感と脳の関係について述べる。

  1. 脳の基礎知識
    1. 脳の概要
    2. 脳の機能と構造
  2. 質感知覚の基礎となる脳機能
    1. 末梢視覚系の機能
    2. 中枢視覚系の機能
    3. その他の感覚系の機能
    4. マルチモーダル脳機能
  3. 脳計測技術
    1. 電磁気計測手法:EEG (脳波)
    2. MEG (脳磁図)
    3. 代謝計測手法:fMRI (機能的磁気共鳴画像法)
    4. NIRS (近赤外分光法)
    5. 脳計測技術の比較
  4. 結語
    1. 高級感・上質感と脳
    2. 結語と今後の展望

第2部. 感性工学からみた「高級感、上質感」の分析

(2017年2月27日 12:15〜13:45)

 消費者が「高級感、上質感」などの感性を感じるのは、商品を見てすぐに感じられる人の無自覚過程からの心理学的な結果です。  その心理学的な認知評価構造が定量的に解析できると設計の知識になります。  そこで、認知心理学理論の原形ともいうべきパーソナル・コンストラクト理論をもとに、人のあいまいな心理を分析できる最新のラフ集合の手法を用いて明らかにする手法について平易に解説します。  また、実務で利用できるように、その手法のエクセルソフトについても具体的に紹介します。

  1. 感性工学について
  2. 感性を解明する手法
    1. あいまいさ研究の変遷
    2. ソフトサイエンスの手法 (ラフ集合理論)
  3. 感性デザイン手法の解説
    1. 認知のプロセスから感性 (高級感、上質感) を考える
      • 認知評価構造
      • 心理学の投映法を用いたラダーリング法
    2. 認知評価構造を解析するプロセス
      • 評価用語および認知部位の抽出
      • 消費者の認知評価モデルの解明

第3部. 色彩と質感の感性評価

~高級感はどのように表現するか~

(2017年2月27日 14:00〜15:30)

 様々なプロダクト・デザインやパッケージ・デザインにおいて、加飾表現の技術開発が進んでいる。  しかし、「どのように色彩とテクスチャーを組合せれば、その製品にとって最適となるか」を明確に示した方法が確立しているわけではない。  そこで、高級感をプロダクトやパッケージで表現するためにどうすればよいか、を例にとり、色彩と質感を感性的に整理したり、狙いとするコンセプトを色彩と質感に変換して表現する方法について解説する。

  1. 色彩と質感・素材感表現の感性評価における課題
  2. 色彩に関する感性評価の方法
    • 色彩感情をベースとした感性評価
    • 配色をどのように整理するか
  3. 質感評価における視覚と触覚の役割
    • 質感と基本的な触感次元
    • 視覚と触覚の共通性
  4. 質感・素材感の感性的評価法
  5. 様々な高級コンセプトと表現

第4部. 触感における質感・高級感の感じ方とその計測技術

(2017年2月27日 15:45〜17:15)

 近年、衣料・化粧品だけでなく、医療・ロボティクス、バーチャルリアリティなどの分野で触覚の重要度が増しています。  触覚は、さまざまな脳機能に関わる上、あらゆるヒューマンマシンインタフェースにも関わることから、理学的にも工学的にも重要度がさらに高まると考えられます。  本講座では、ヒト触覚の力学的・神経科学的理解といった触覚の基礎と触覚センサ/ディスプレイなどの応用技術を紹介した上で、触覚によって感じられる質感や商品の高級感についてこれまで取り組んできた事例を紹介します。  触覚による水や皮膚などの物質認知のメカニズムから、触感に着目した化粧品、自動車・情報機器用材料・スポンジ・樹脂材料の開発の事例までを具体的にお話します。

  1. なぜ触覚を研究するのか?
  2. ヒトの触覚認識メカニズム
  3. 触覚センサ
  4. 触覚ディスプレイ
  5. 商品開発における触質感と高級感
    • 自動車用材料・情報機器・スポンジ・樹脂材料への応用
    • 手触りがヒトそっくりの人工皮膚の開発
    • 触覚による水認知のメカニズム
    • 水の触感のディスプレイの可能性
    • さらさら・べたべた・しっとりの物理的起源
    • シルクのような手触りの粉体とその化粧料への応用

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