(2017年2月27日 10:00〜11:30)
近年、人間の脳を非侵襲に計測する技術の発展に伴って、未知の脳機能に迫ることが可能になってきた。 本講座の前半においては、脳の基礎知識を説明した上で、高級感、上質感の基礎となる視覚 (末梢・中枢) やその他の感覚、マルチモーダルに関する脳機能について解説する。 後半においては、それらの計測を可能とする最先端の脳計測技術 (電磁気計測手法・代謝計測手法) を解説し、比較する。 最後に高級感・上質感と脳の関係について述べる。
(2017年2月27日 12:15〜13:45)
消費者が「高級感、上質感」などの感性を感じるのは、商品を見てすぐに感じられる人の無自覚過程からの心理学的な結果です。 その心理学的な認知評価構造が定量的に解析できると設計の知識になります。 そこで、認知心理学理論の原形ともいうべきパーソナル・コンストラクト理論をもとに、人のあいまいな心理を分析できる最新のラフ集合の手法を用いて明らかにする手法について平易に解説します。 また、実務で利用できるように、その手法のエクセルソフトについても具体的に紹介します。
~高級感はどのように表現するか~
(2017年2月27日 14:00〜15:30)
様々なプロダクト・デザインやパッケージ・デザインにおいて、加飾表現の技術開発が進んでいる。 しかし、「どのように色彩とテクスチャーを組合せれば、その製品にとって最適となるか」を明確に示した方法が確立しているわけではない。 そこで、高級感をプロダクトやパッケージで表現するためにどうすればよいか、を例にとり、色彩と質感を感性的に整理したり、狙いとするコンセプトを色彩と質感に変換して表現する方法について解説する。
(2017年2月27日 15:45〜17:15)
近年、衣料・化粧品だけでなく、医療・ロボティクス、バーチャルリアリティなどの分野で触覚の重要度が増しています。 触覚は、さまざまな脳機能に関わる上、あらゆるヒューマンマシンインタフェースにも関わることから、理学的にも工学的にも重要度がさらに高まると考えられます。 本講座では、ヒト触覚の力学的・神経科学的理解といった触覚の基礎と触覚センサ/ディスプレイなどの応用技術を紹介した上で、触覚によって感じられる質感や商品の高級感についてこれまで取り組んできた事例を紹介します。 触覚による水や皮膚などの物質認知のメカニズムから、触感に着目した化粧品、自動車・情報機器用材料・スポンジ・樹脂材料の開発の事例までを具体的にお話します。