再生医療が広く実用化されるためには治療に使用される細胞製剤の品質確保が極めて重要である。ヒトには多くの微生物が持続感染しているため原材料や細胞製剤への微生物混入の可能性は排除できず、さらに混入した微生物の除去や不活化処理ができない特質を持つため微生物汚染の問題は治療の安全性を確保するうえで避けらない重要な課題である。 したがって、治療の安全性を確保するためには微生物混入の有無やその量を正確に測定して治療のリスクを評価し、治療のベネフィットとのバランスを考えることが不可欠となる。 本講演では、細胞製剤の微生物検査として実施が求められるウイルス・マイコプラズマ検査の現状と、当研究室で開発した新しい迅速検査法 (タカラバイオ・日水製薬・島津製作所から研究用試薬として発売中) を紹介する。