PIC/S加盟及び社会問題化された諸問題の影響を受け、厳しい自己点検及び委託先によるGMP監査にニーズが最近高くなってきました。監査には公式に規定された手順と“コツ”があります。
このセミナーでは監査に必要な基本事項の習得及び現地 (現場) 監査における聞き取り調査の具体事例を解説します。また、具体事例の中で不適合及び監査事項を的確に決め付けるためのワークショップを設けました。
1日目 第1部 GMP監査技法・手法の習得
- GMP監査の基本事項
- 品質保証体系におけるGMP監査の役割
- 品質照査における基本事項 (適切性、妥当性、有効性)
- 監査指針に学ぶGMP監査 (5段階ステージ)
- QMP監査員に必要なスキル
- GMPシステム監査技法
- システム監査の必要性及び意義
- システム監査技法 (帰納的監査及び演繹的監査を含む)
- システム監査技法の事例/表示・包装システム
- サブシステムに対するGMP監査のポイント
- 品質サブシステム
- 構造設備サブシステム
- 保管サブシステ
- 包装・表示サブシステム
- 試験検査サブシステム
- 製造サブシステム
1日目 第2部 GMP監査及び自己点検の実務における計画~フォロアップまでの勘所
- GMP監査計画の立て方のポイント (焦点エリアの決め方)
- GMP監査計画段階における文書レビューのポイント
- GMP省令に対応した6サブシステムを反映したGMP監査計画
- PIC/S – GMPガイドに準拠した6サブシステム
- GMP監査マスタープランの立て方とその事例
- 監査計画書の作成のポイント (事例を含む)
- GMPチェックリスト作成のポイント (事例を含む)
- 現地監査における効果的な聞き取り調査の“勘所”
- 現地監査における不適合の指摘の仕方の勘所 ( (指摘の虎の巻:3つのキーワード)
- 監査所見及び講評の勘所
- 指摘事項報告書及び是正要求書の書き方のポイント及び事例
- 講評と監査報告書作成のポイント及び事例
- 盲点を少なくするための現地監査の着眼点 (事例)
- 手順書 (運用ルール) に基づいた記録類のレビュー
- 工程の製造記録の運用状態レビュー
- 原料・資材の保管状態のレビュー
- 包装表示保管管理状態のレビュー
- 試験検査管理状態のレビュー
- 試験記録・成績書など記録の運用状態のレビュー
- 逸脱管理記録類の運用状態のレビュー
- 変更管理記録類の運用状態のレビュー
- 改善に結びく効果的なフォローアップ監査
- 是正処置の4要素 (CAPAを含む)
- フォロアップ活動のフローチャート (監査側の検証を含む)
- 是正処置報告書の様式と記載事例
(一日目の終わりに、質疑応答及び模擬監査演習の進め方の説明をします。一部、宿題があります。)
2日目 第3部 ワークショップ/GMP監査演習
ワークショップ/実務演習3題
狙い目:グループワークを中心とした討議、発表、講評を通して、実務的な技法を習得
演習テーマ
GMP監査チェックリスト作成演習
GMP調査は監査計画書にもとづく絞り込まれれた監査チェックリストの良否に左右されると云われる。
チェックリストはレギュレーションの単なる裏返しではなく、効果的な聞き取り及び文書・記録類の照査及び観察を考慮した監査チェックリストを目指し、原薬製造所 (原薬GMPガイドラインを順守) における製品原料資材保管サブプロセスの監査、監査チェックリストをグループで討議し作成する。
不適合指摘演習
製造現場における監査場面描写 (講師が経験した実例のストリー) を読み取り、GMP省令に照らして明らかにに不適合を三つ挙げる。監査場面描写では、オペレーターや試験検査員の作業状況を観察しながら聞き取り調査、現場にて手順書及び製造記録・試験記録類、必要に応じて教育訓練記録、バリデーション記録及び逸脱記録類を照査の状況を読み取る。但し、指摘の仕方は、つぎの3段階で指摘する。
以下をグループで討議し、確定する。
- 不適合が該当するGMP省令の条項とその内容
- 不適合に関わる客観的事実
- 結論
フォロアップ演習
非監査側の是正内容 (予め講師が準備) を検証する。是正が“モグラ叩き”にならないような検証がポイントである、非監査側の是正内容の問題点及び再是正 (案) を非監査側に提案する。
ワークショップの進め方
- 講師がこれまで経験した監査事例の場面を“監査場面描写”などで再現させる。場面描写により、現地におけるツアー、聞き取り調査を臨場感覚で学ぶ。
- 場面監査での着眼点
- ワンストップマルチ審査 (システム監査) の進め方
- ヒアリングの仕方 (“コツ”)
- 精査の仕方
- 監査員の行動を正確に読み取り、参考にしたい事項を抽出する
- 場面描写を正確に読みとり、GMP省令及び原薬GMPガイドライン、バリデーション基準に照らして下記事項を実地に演習 (指摘の拠り所を含む) する。
- 明らかな不適合事項の抽出する
- 場面描写だけでは不適合を判定できないため、追加精査すべき事項の抽出
- 改善措置要求書 (是正処置要求書) の作成
- 監査報告書の作成
- ワークショップの具体的な進め方 (3段階演習)