半導体量子ドットは有機ELの発光層材料やバイオイメージング用途での実用化が期待される新しい発光材料である。本講演では半導体量子ドットの合成手法だけでなく、応用例として薄膜型のデバイス (発光素子や太陽電池) 、バイオイメージングなど多岐に渡って最新の動向を紹介する。
前者では特に有機配位子の制御が重要であり、洗浄方法や配位子交換などの技術も概説、デバイス化に関する最近の動向を紹介する。また、後者では抗体や有機色素と結合技術が重要であり、ゲル濾過カラムを用いた精密制御技術や、マイクロ流路を用いたリアルタイム反応過程の評価技術などを紹介する。
- 半導体量子ドットの基礎
- 半導体量子ドットの発光原理
- 半導体量子ドットの合成手法
- Cdフリー半導体量子ドットの合成技術と光学特性
- 有機溶媒分散CuInS2/ZnS量子ドットとAgInS2/ZnS量子ドット
- 水分散InP/ZnS量子ドット
- 半導体量子ドットの薄膜型デバイスへの応用
- 半導体量子ドットを発光層に用いた量子ドットLED
- 半導体量子ドットを活性層に用いた太陽電池
- 太陽電池用波長変換フィルム
- 半導体量子ドットのバイオイメージングへの応用
- 蛍光測定を用いたバイオイメージング用センサー
- 蛍光型pHセンサーの動作原理
- ゲル濾過カラムを用いた超精密分取手法
- マイクロ流路を用いた高速合成・リアルタイム評価技術
- 反応速度を定量化する手法
- 反応場の大きさが反応速度に与える影響
- 免疫測定法を利用したバイオセンサー
- 細胞への量子ドットの自発的導入
- まとめと今後の展望