第1部『Riskに基づいたサンプリングの妥当性担保とヒューマンエラー防止』
(2017年1月25日 10:30~13:00)
医薬品開発・製造は、過去15年間で大きく変化した。Risk managementが基本となり、Design Spaceを利用した品質管理やRTRT、そして連続生産などが実現した。しかし、そこでは、これまで以上に試験の信頼性が必要となっており、そしてサンプリングの妥当性が求められることとなった。
本講座では、統計的な視点からではなく、申請や査察を見据え、Risk評価に基づいたサンプリングの妥当性とそこで起こる逸脱 (ヒューマンエラー) そしてその対策について解説する。また、Risk評価の質をどう担保するかについても紹介する。
製剤開発・製造における新たな取り組みにおいて重要となる試験結果の信頼性を担保するため、その背景にあるもの、Risk Managementの基礎的事項、サンプリング時に検討すべき具体的な項目とその内容、また逸脱の原因となるヒューマンエラーにどう対処すべきかなどを理解することを目的とするとともに、査察に対応できる考え方・技術の習得を目指す。
- 医薬品開発・製造の大きな変化とは
- 米国と日本の医療制度違い
- 米国の悩みとそれに対する取り組み
- 何が変わったのか
- 「試験による品質」から「設計による品質へ」
- ICH Qトリオガイドラインが意味するもの
- Risk Managementの基礎
- Risk評価の質が問われている (知識管理)
- サンプリングの妥当性をどう担保するか
- Probability Samplingとnon – Probability Sampling
- 規制文書に見るサンプリング
- サンプリングで検討すべき12の項目
- サンプリングの目的・対象
- サンプリングを行う人
- サンプリング場所と時間
- サンプリングの方法
- サンプリング容器と保管
- サンプルの統計処理
- その他留意事項
- Data Integrityとサンプリング
- Data Integrityとは何か
- Data Integrityから見たサンプリングの留意点
- Process Validationとサンプリング
- Process Validationが変わった
- Validationにおけるサンプリングの持つ意味
- サンプリングと逸脱、そして査察に向けた取り組み
- サンプリングに係わる逸脱
- ヒューマンエラーとは
- ヒューマンエラーを防ぐための取り組み
- SOP作成上の留意点
- Know – How教育からKnow – Why教育へ (教育訓練のあるべき姿)
- その他検討項目
- サンプリングに係わるいくつかの問題
- まとめ
第2部『グローバル査察に対応した試験室管理の実際』
(2017年1月25日 13:00~16:30)
グローバル査察に対応した品質管理の試験室管理全般について、査察における準備、ラボツアー、確認事項、指摘事項等、実例を挙げながら具体的に解説する。
医薬品のGMP査察において、試験室に関する細かい指摘は実に多く、査察に要する時間のうち、試験室関連の締める割合も大きい。各種ガイドラインに準拠した試験室管理体制を構築するための対応について、具体的に習得する、
- ガイドラインについて
- 試験室管理について
- 組織
- 教育訓練
- SOP
- 規格及び試験方法・ワークシート
- サンプリング
- 検体管理
- 試験設備・分析機器
- 試薬・試液
- 標準物質
- 試験の実施
- 試験記録・Data Integrity
- 試験記録の照査・合否判定
- OOS・OOT・ラボエラー
- 文書・記録の保管
- 参考品
- 安定性モニタリング
- 外部への試験委託
- 技術移転・分析法バリデーション
- 試験室の安全・環境
- 試験室の査察対応
- 査察準備
- ラボツアーのポイント
- ドキュメントのレビュー