第1部 ガラスへの 接着・密着を阻害する要因と接着不良対策
(2017年1月23日 10:00〜11:00)
- ガラスの接着技術
- 接着技術の基礎
- ガラス用接着剤の要求条件
- ガラスに用いられる有機系接着剤
- 接着剤の種類と特徴、使用法など
- ガラスの接着性を阻害する要因とその対策
- 妨害する要因、洗浄、表面処理などの対策
- ガラス接着技術の応用
- ガラス同士やガラスと異種材料との接着の応用例と技術的ポイント
- ガラス接着性の評価方法
第2部 ガラスへの接着・密着性向上の為の表面処理技術
(2017年1月23日 11:10〜12:10)
ガラスへの接着性・密着性向上のための基礎技術は古くから知られている。その中で電子部材用途に採用されてきたものは、気密性が定量的に評価される中で比較的明確に把握されている。
しかし医療の分野でプレパラート作成といった膨大な作業を要するものについて、永久保存に耐えうる試料が、どのような原理に基づいて作成されているのか、一般にはあまり知られていない。
またバイオケミカルの分野ではDNAをはじめとするバイオチップの研究が欧米だけでなく、中国・アジア諸国を含めたワールドワイドで進むが、その中で表面処理技術は重要なポインとる。
これらを細部に渡って解説する。また今後の方向性についての見解を述べたい。
- はじめに
- 医療の基礎分野である病理診断で使用するガラス材料が求められるもの
- 電子部材の高性能化と接着・密着性向上
- ガラスへの接着・密着性を重視する医療関連機能性商品
- 病理学とプレパラート作成のための工程
- プレパラート用ガラスと検体との接着・密着性、必要とされる表面処理
- バイオチップ商品とトライされている表面処理技術…シランカップリング剤の応用
- 電子部材の高機能化のポイントとなる気密性確保
- イメージセンサー、レーザーダイオード用カバーガラスへのアッセンブリ
- タッチパネルに使用するカバーガラスの貼合わせ
- ガラスへの接着・密着性を阻害する要因と対策
- ガラス表面の接着・密着性改善に寄与する表面処理技術
- コロナ放電、プラズマ放電
- その他UV照射、レーザー照射等による表面改質
- 市場で要求される複合材料と取り組みの方向性
第3部 ガラス表面のUV照射による樹脂との密着強度向上
(2017年1月23日 12:50〜13:50)
大量生産・大量販売される微細化が進んだ電子製品は、市場では高い性能はもちろん必要だが、コスト競争力が成功の鍵を握る。UVオゾン表面処理技術はその課題に応えて、スマートフォンやタブレット製品の製造に多用されている。
- 短波長紫外線による表面処理の概要
- 表面の解析
- UVオゾン洗浄
- 洗浄度と再汚染時間
- UVオゾン表面処理を活かす前処理
- 表面張力と接着性能の活きた関係
- 平滑面を損なわない唯一の表面処理法
- 過剰処理の弊害
- Xエキシマランプと低圧水銀ランプの比較
- “ぬれ張力試験液”による改質効果の評価
- 表面張力レベルと実用的接着性能
- 紫外線照射処理のための光源と装置
- UV露光量とUV照度
- UVオゾン処理装置と排オゾン処理
- 紫外線とオゾンの危険性と対策法
- 実施例
第4部 シランカップリング剤の基礎とガラス表面への応用
(2017年1月23日 14:00〜15:00)
本講の前半ではシランカップリング剤の構造的特徴と反応メカニズムの基礎について解説する。
後半では現在入手可能なシランカップリング剤の化学構造、実際の反応操作について言及したのち、応用例として表面改質および有機-無機ハイブリッド作製について紹介する。
- シランカップリング剤の基礎
- 基本的な化学構造
- 一般的な利用法
- シランカップリング剤の反応メカニズム
- ゾル – ゲル法
- 基本的な反応メカニズム
- pHの影響
- 化学構造の影響
- シランカップリング反応の実際
- 代表的なシランカップリング剤
- 特殊なシランカップリング剤
- アルコキシシランなど関連化合物
- 反応の行い方
- 反応に適した表面とは
- シランカップリング剤の利用法
- 表面改質における利用
- 有機 – 無機ハイブリッド作製における利用
第5部 接着性向上のためのガラス・樹脂表面の大気圧プラズマ表面処理
(2017年1月23日 15:10〜16:10)
フッ素樹脂 (テフロン、PFA、PTFEなど) は、耐薬品性、電気絶縁性、耐熱性、難燃性、高ガスバリア性など優れた基本特性を持ち、広範囲で使用されています。
しかし、高い撥水特性から、基本特性を損なわず接着、接合を行うことが困難でした。
我々は革新的な大気圧プラズマ複合処理技術により、これを可能とし、高い接着性を初めて実現しました。
本講義では、はじめに大気圧プラズマの基礎をわかりやすく解説し、樹脂、ガラスの大気圧プラズマ表面処理技術に関して基礎原理と適用事例を詳細に解説します。
- 大気圧プラズマ複合プロセスによるフッ素樹脂フィルムの接着性向上技術
- 大気圧低温プラズマと発生法
- プラズマとは?
- プラズマの種類
- パックドベットプラズマリアクタ
- 電流電圧電力波形
- プラズマジェット電極
- プラズマ装置と電子回路
- 表面処理装置の例
- フッ素樹脂の特性
- 大気圧プラズマグラフト重合処理装置
- 低温プラズマの照射
- プラズマグラフト重合とは
- フッ素樹脂フィルム処理の実験装置と実験条件
- 接触角による親水性評価
- はく離試験による接着性評価
- 金属板接着時の試料断面図
- 接着性評価結果
- ESCA (XPS) による表面分析評価
- FT – IRによる表面分析評価
- 電子顕微鏡による表面写真撮影
- 従来技術 (ナトリウム – アンモニア処理等) との比較
- 誘電率と誘電正接
- テフロン表面へのめっきについて (プラズマ複合めっき処理)
- テフロン上無電解銅めっき法
- テフロン表面への電極形成について
- テフロン上無電解ニッケルめっき法
- 大面積処理装置の実現
- A4コロナ表面処理のデモンストレーション
- PTFEフィルムのFTIRスペクトル
- 大気圧プラズマ複合プロセスによるガラス表面およびポリマー表面の恒久的処理技術
- 自動車のフロントガラスやサイドミラーの水滴除去
- ガラス表面の改質装置
- プラズマのみを照射した場合 (親水性向上)
- プラズマ・ケミカル複合プロセスによる恒久的はっ水処理
- ソーダシリカガラスの表面構造
- 恒久的表面処理のメカニズムについて
- 樹脂フィルムとガラスの接着
- フッ素樹脂フィルム上有機EL膜の発光特性
第6部 ガラス表面の特性制御およびガラス – 他材料の接着・接合技術
(2017年1月23日 16:20〜17:20)
省エネ、省資源化が求められる中、製品の小型化・複合化・軽量化および低環境負荷プロセス開発が急速に進展しており、これを実現する手法として、異種材料の接着・接合技術が近年注目されている。
異種材料の接着・接合には、各材料の物性理解は勿論のこと、その界面制御が極めて重要となる。
本講演では、ガラスと他材料の接着・接合技術について具体的事例を紹介し、ガラス表面の特性制御およびガラス – 樹脂ハイブリッド化の今後の可能性について述べる。
- ガラスの特徴
- ガラス表面のキャラクタリゼーション
- 分析・解析手法
- ガラス表面の特徴
- ガラス – 他材料の接着・接合技術
- ガラス – シリコンの接合技術 (MEMS用途)
- ガラス接着剤を用いた電子・環境デバイスの高信頼性化
- ガラス – 樹脂ハイブリッド化と今後について