第1部. 抗体医薬品・バイオ医薬開発における糖鎖・タンパク質の解析法
(2017年1月20日 10:00〜12:00)
抗体医薬品をはじめとしたバイオ医薬品の開発が活発化している。
これらを開発・申請するために必要な糖鎖及びタンパク質の構造解析法について、基礎から応用までを、実際の解析例を含めて紹介する。
- 特性解析概要
- バイオ医薬品に関連するレギュレーション
- バイオ医薬品の特性解析について
- 物理的化学的性質
- CDスペクトル
- 分子量測定
- キャピラリー電気泳動 (等電点電気泳動)
- タンパク質の解析
- アミノ酸組成分析
- N末端アミノ酸配列解析
- ペプチドマップ及び全アミノ酸配列解析
- ジスルフィド結合位置の解析
- 糖鎖の解析
- 糖組成分析
- オリゴ糖鎖マップの作成及び糖鎖構造解析
- 糖ペプチドの解析
第2部. 糖鎖の構造と体内動態解析を目的とした定量的網羅的解析技術
(2017年1月20日 12:45〜14:15)
糖タンパク質など、複合糖質に含まれる糖鎖の構造と分布を測定するには、信頼性が高く、わずかな試料にも適用できる高い感度と定量性のある方法が必要となる。しかし、糖の分野では確立された分析方法は少ない。
そこで主にバイオ医薬品などに対象を絞り、糖鎖解析に利用される化学反応、酵素反応、標識化反応を概観し、これらを蛍光液体クロマトグラフィーやレーザー励起キャピラリー電気泳動法に適用した例を紹介する。
- 糖タンパク質糖鎖の種類とそれぞれの基本的構造
- 糖鎖の生合成と代謝
- 糖鎖の多様性の要因と糖鎖合成のルール
- 糖鎖の分析の現状
- 糖鎖の遊離方法 – 糖鎖解析に有用な化学反応と酵素反応
- 糖鎖構成単糖の分析、結合解析
- 糖鎖の配列解析法 (MSn以外)
- 糖鎖の標識化と糖鎖の抽出・精製技術
- レクチン、糖鎖抗原、エキソグリコシダーゼを用いる糖鎖の構造解析
- 高速液体クロマトグラフィーによる糖鎖の分離と検出
- キャピラリー電気泳動による糖鎖の分離と検出
- マイクロチップを用いた糖鎖の高性能分離技術
- 糖鎖解析専用装置の例
- 質疑応答
第3部. MS/MSフラグメント解析による糖鎖解析の効率化
(2017年1月20日 14:30〜16:00)
医薬品に限らず活性タンパク質には糖鎖が結合している場合が多く、タンパク質の機能やその安定性に重要な役割を果たしている。
活性タンパク質の品質管理をする上でも糖タンパク質糖鎖の分析は重要である。
質量分析による糖鎖の分析は、微量で行える半面、糖鎖構造の特徴である構造異性体の解析が大きな問題となっている。
通常はクロマトグラフィーで異性体を分離した後、質量分析を行うのが定石であるが、MS/MSフラグメント解析を行うと更に有用な構造情報を得ることができる。本講演では糖鎖構造異性体の識別に注目し解説する。
- 質量分析による糖鎖構造解析の概要
- 糖鎖構造と構造異性体
- 正イオンモード測定と負イオン測定モードの違い
- MS/MSフラグメントイオンとスペクトルパターン
- α結合とβ結合の違い
- 結合様式の違い
- MS/MSフラグメント解析と定量分析
- イオンモビリティーMS (IMS) による分離
- IMSによる糖鎖複合体解析
- IMSによる糖鎖構造異性体分離
- IMSによる糖鎖構造異性体分離と定量
- その他
- 質疑応答
第4部. 承認申請の視点でみた糖鎖・タンパク質解析での留意点
(2017年1月20日 15:45〜17:15)
本講演では、承認申請における糖タンパク質製剤及び抗体医薬品の糖鎖、タンパク質分析に関する注意点及び記載方法を説明する。
また、糖タンパク質製剤の製造法開発、規格・試験方法の設定及び安定性試験などとの関連を説明する。
- バイオ医薬品の特性
- バイオ医薬品の一般注意事項
- 製造方法及び製造方法開発
- 重要品質特性及び規格/試験方法
- 一般名申請
- 必要な糖鎖、タンパク質情報
- 糖さ、タンパク質の記載方法
- 糖タンパク質製剤の記載例
- 抗体医薬品の記載例
- 承認申請資料の記載
- 特性 – 構造その他の特性の解明
- タンパク質製剤の目的物質由来不純物
- 製造工程由来不純物
- 糖タンパク質製剤の製造法開発の記載
- 糖タンパク質製剤の規格の設定
- 糖タンパク質製剤の安定性試験