カーボンナノチューブ (CNT) は、突出した特性/機能 (高い導電性、近赤外発光、高強度メカニカル特性、超軽量、化学的安定など) をもつ1次元導電性分子ナノワイヤーであるが、固体状態ではファンデアワールス力等により束 (バンドル) 構造体を形成し、水や汎用の溶媒にはほとんど溶解しない。
ここでは、CNT可溶化/分散の基礎、および最近のトピックス (半導体/金属ナノチューブの分離、新しい光特性など) 、ならびに可溶化CNTのエネルギー、複合材料、デバイス、およびバイオ分野への応用についての最新話題を提供する。
- ナノカーボンとは
- カーボンナノチューブの構造、物性
- CNTの合成
- CNTの基本物性
- カーボンナノチューブ (CNT) の可溶化
- はじめに – 可溶化の重要性
- 一般的な溶媒による分散
- 化学修飾可溶化 (共有結合による可溶化処理)
- 物理修飾可溶化 (非共有結合による可溶化処理)
- 低分子系可溶化剤
- 高分子系可溶化剤
- DNA可溶化剤
- カーボンナノチューブの電子準位
- はじめに
- 電子準位決定法
- SWNTの新しい光特性
- SWNTのカイラリティ分離
- はじめに
- 半導体性・金属性SWNTの分離・濃縮
- 化学反応を利用した分離法
- ブレークダウン法
- クロマトグラフィー法
- 密度勾配超遠心分離 (DGU) 法
- 選択的可溶化法
- 固有のカイラル指数 (n, m) をもつSWNTの分離
- クロマトグラフィー法
- 密度勾配超遠心分離 (DGU) 法
- 超分子科学を利用した選択的可溶化法
- エナンチオマー分離
- カーボンナノチューブ機能化 (複合材料創製)
- 機能化に向けた複合化
- 有機分子との複合化
- 高分子との複合化
- ナノ粒子との複合化
- バイオアプリケーション
- In vitro アプリケーション
- In vivo アプリケーション
- CNTの分散と毒性
- 細胞培養基板としてのCNT
- エネルギーデバイス
- 燃料電池
- Ptを利用する燃料電池
- 非Pt型燃料電池
- ダイレクトメタノール電池
- 太陽電池
- リチウムイオン電池
- 空気 – 亜鉛電池
- フレキシブル透明電極
- CNT熱伝導デバイス